今日の昼、ふと産経新聞を目にしたら、論説委員の阿比留氏の極言御免「引き際・・・舛添氏と菅元首相」という記事が目に入った。舛添知事の辞任に関連して舛添知事以上に私の総理の時の引き際が悪かったという記事。

  阿比留氏はよほど私のことが気になる人らしい。5年前の2011年6月2日の不信任案が否決せれ、その後9月2日まで首相を続けたことがよほど気に入らなかったようだ。「約3か月もそのまま居座り、国政を混乱させ続けた」と一方的に断じている。しかしこの3か月の間に再生可能エネルギーが飛躍的に伸びるきっかけとなった固定価格買い取り制度(FIT)による再エネ促進法を成立させた。その効果で、この5年間で再エネのうち太陽光だけでも2000万キロワットを超える設備容量の太陽光発電所が完成した。これは原発5基分に相当し、約6兆円の民間資金による設備投資があり、日本経済にとっても貢献している。すでに認可されたものを含めると約8000万キロワットの設備容量で、原発20基分に相当し、ほとんどが数年のうちには完成する。

 菅政権は福島原発事故を境に、「脱原発」と「再生可能エネルギー」へ向けてかじを切った。そのために、浜岡原発の停止要請、再稼働条件の厳格化、そして再エネ推進のためのFITの導入を進めた。阿比留氏のように原子力ムラの代弁者である原発推進の立場からすれば、この間の私のやったことは「国政の混乱」と見えたかもしれない。しかし、脱原発と再エネへのエネルギー転換は世界的潮流であり、世界全体としては確実に前進している。

 阿比留論説委員も世界的視野に立って、菅政権のこの3か月の間に何が政策的に何が実現したのかをよく見て書いてほしい。人の好き嫌いだけで書くのなら論説委員の名に値しない。