フィリッピン大統領選でドウテルテ氏が当選。トランプ氏ばりの過激発言で人気を集めたという。


  既成の政治家を罵詈雑言を浴びせて罵倒し、人気を集めるという風潮が世界を覆っている。今の社会に閉塞感を感じている人にとって一時的な痛快感をもたらすからだろう。日本では橋下前大阪市長がその代表的な例だった。


  それとは一味違うのがアメリカ大統領民主党予備選のサンダース候補だ。歯切れの良い思い切った主張をしているが、決して相手を罵倒しているのではない。経済格差がますます拡大しているアメリカの改革を真正面から訴えている。


  私の属する民進党の政策もサンダース候補の主張と共通点が多い。若者が経済的理由で大学に通えない現状を改革することなど、サンダース候補はアメリカの若者からも圧倒的な支持を得ている。大統領候補になれなくても政策的に大きな影響を及ぼすはずだ。


  世界中の経済格差の暗部がパナマ文書で明らかになりつつある。日本人の関与はまだ十分明らかになっていないが、次第に明らかになるだろう。50年前の学生運動華やかなりしころには「階級社会」という言葉がよく使われた。その後日本は「総中流社会」と呼ばれ、「階級」は消滅したように思われたが、今や世界中で「新階級社会」が出現している。


  日本で「新階級社会」を推し進めているのは言うまでもなく安倍政権だ。豊かな家庭に生まれたら一生豊かに暮らせるが、貧しい家庭に生まれたら簡単には貧しさから抜け出せない社会だ。民進党は生まれた家庭の貧富に関係なく平等にチャンスと安心が得られる「新福祉社会」というビジョンを鮮明にして、真正面から政策で対抗すべきだ。