1月27日、ワシントンからロンドンに移動。明日は英国議会の委員会室で私を含む数人が講演し、質問を受ける。主題は「イギリスエネルギー政策:チェルノブイリ事故からの遅い教訓。福島原発事故からの早期警戒。」



  世界のエネルギー情勢は大きく変化しつつある。原油価格の暴落は中国経済の停滞など一時的な要因もあるが、シェールガスが出現し、アメリカがガスの輸出国になったという構造的変化がある。イギリスは北海油田があるため原発の新設を抑えてきたが、最近は古い原発のリプレースを進めようとしている。イギリスの電力会社の多くはフランスや日本など外国資本。中国も参入しつつある。



  イギリス、フランス、ドイツというヨーロッパの主要国が原発について全く異なる政策を取っているのも興味深い。地球の将来を考えれば、ドイツのように脱原発、脱化石燃料で再生可能エネルギーへの転換を進めるべきだ。日本の原発メーカーはイギリスで原発建設に加わろうとしているが、長期的展望に立てば原発はコストも高く、事故や核廃棄物の処理の困難さを考えれば、間違った選択だ。