恒例の秋の臨時国会を開かない代わりに、新年早々の1月4日から通常国会を開くという異例の国会日程は、何を狙っての事なのか。衆参同時選挙を行うためではないかという見方が広がっている。安倍総理のこれまでのやり方を見ると十分ありうる。野党、特に民主党としては衆参同時選を想定して準備を急ぐ必要がある。


  今度の国政選挙は①安保法制廃止のための野党共闘、②18歳選挙権スタート、というチャンスにできる二つの大きな課題がある。


  議会制民主主義の下での政党の役割は、国民が政党を選ぶことで政策実現に参加できる場を提供すること。逆に言えば、国民は自分の考えを政治に反映するためには、選挙で政党を選ぶか、さらに積極的には自分の考えの沿った政党に参加し、支持拡大の運動を行うかである。今回の安保法制を巡る市民の動きは、政党を選挙で選ぶという消極的行動ではなく、一歩踏み出して街頭行動などを通して直接主張を政権にぶつける行動であった。この先にあるのは自らの主張を実現するため政党に参加するか、参加に足りる政党が無ければ自らで政党を作るかだ。


  私が1976年のロッキード選挙の時に「革新系無所属」として衆院選に立候補した時の気持ちがまさにそうしたものであった。つまり参加するに足りる政党がないから無所属で出るが、政党を否定するのではなく、自分の考えに沿った政党を作りたいという気持ちだ。そうした考えを書いた「否定論理からは何も生まれない」と題する私の論文を当時人気のあったの朝日ジャーナルが、1976年12月の選挙の真っ最中に掲載してくれた。そして翌年、江田三郎さん、江田五月さんたちと社会市民連合と言う政党を立ち上げ、合併を繰り返して社民連、そして民主党となり、政権交代を実現した。


  現在の政治状況は私にとっての1976年の状況によく似ている。安保法制反対や脱原発で行動を起こしたシールズの若者や若い母親など多くの市民が、自分たちの気持ちを代表してくれる政党を求めている。