昨日の東京新聞によれば、福島原発事故の後も経産省などだけでなく、原発が立地している自治体職員OBが電力会社が出資する組織に数多く天下りしていると報じている。


世論調査では原発の廃止に賛成する意見が国民の半数を超えているにもかかわらず、脱原発が進まない大きな原因がここにある。しかも天下りに必要な費用は国民が負担する電力料金からねん出されている。民主主義が捻じ曲げられているのだ。


自民党は完全に原子力ムラの一員に戻っている。原子力問題の特別委員会でも自民党議員は再稼働を急がせようとする質問のオンパレードだ。特に原発立地自治体出身の議員程そうだ。


安保法制では立憲主義が踏みにじられたが、原発の是非の議論でも国民世論は原子力ムラの金の力で捻じ曲げられている。


電力会社の中でも大阪など関西をテリトリーとする関西電力は原発の比率が最も高い。大阪など関西で大きな力を持つおおさか維新も、既得権益の打破を言うなら、足元の原子力ムラの既得権益をもっと問題にしてもらいたいものだ。安倍政権と関電に遠慮しているように見える。


新潟県は独自で福島原発事故の検証を続けている。ドイツは宗教家など幅広い人々からなる賢人会議で脱原発を決めた。日本では安倍政権になってから利害関係者ばかり集めて議論させ、国民世論を無視した方針を閣議決定している。


今日から原発事故の講演やチェルノブイリ原発視察のためドイツとウクライナへの訪問の旅に出る。