昨日国会が95日間、9月27日まで延長された。国会史上最大の会期延長を安倍総理が強行した意味はどこにあるのか。


  第一はアメリカ議会で「夏までの成立」を約束したメンツからして、何が何でも今国会で「安保法制」を成立させるという決意の表れだ。たとえ参議院の審議が難航しで可決ができなくても、衆院での可決から60日を経過すれば衆院に戻して三分の二の賛成があれば可決できるという60日ルールまで視野に入れた決定だ。


  1960年の日米安保条約改定の時も衆議院で強行採決し、参院では採決できず自然承認を待ち、その後岸総理は辞任した。今回の強引なやり方は岸総理の退陣と引き換えの承認を思い出させる。


  大幅会期延長と自民党総裁選の関係も注目する必要がある。安倍氏の自民党総裁任期は今年9月30日までで、総裁選挙は任期満了の前に投票するルールなので、遅くとも国会会期中に総裁選が始まる。安倍総理は国会開催中の総裁選挙であれば対立候補が出にくいから有利と考えているようだ。姑息な考え方だ。


  こんな強引なやり方に対して自民党から表立った批判が出てこないところに自民党の劣化が現れている。全員が安倍チルドレン化してしまっているからだ。