ローマ法王が原発を「バベルの塔」になぞらえ、「人間が主人公になって自然を破壊した結果の一つ」と述べたとの報道(3月22日付毎日新聞朝刊)。


  科学技術は人間に幸せをもたらすと同時に不幸をも、もたらしてきた。不幸をもたらした代表が核兵器の開発だ。そして原発も同じであることが福島原発事故で証明された。


  それにもかかわらず、いまだに原発を推進しようとする人の気持ちが分からない。原発の大事故は今後絶対に起きないと信じているのか。そうではないだろう。自分が責任ある立場にいる間は起きないことにして、その間、原子力ムラの既得権益の分け前にあずかろうとしているとしか思えない。


  福島原発事故当時アメリカのNRCの委員長であったヤツコ氏は「原発事故はいつどこで起きるかは分からないが、いつかどこかで必ず起きる。起きることを前提に、起きた時どれだけの人に被害が及ぶかを考えるべき。多くの人に被害を及ぼすところには原発を設置するべきではない」と述べている。そう考えれば、少なくとも日本には原発を置く場所はどこにもないはず。そして、この地球上には原発を設置できるところはない。まさに「バベルの塔」だ。