吉田調書に関連して、3月12日の海水注入を巡る問題が改めて報道されている。そこで私も改めてこの問題に関する武黒フェローの国会事故調での証言を議事録と、ユーチューブの動画で見てみた。


  武黒氏は自らの判断で吉田所長に海水注入を止めるように言ったと明確に述べている。


 武黒氏は海水注入の準備に午後8時ごろまでかかると理解し、6時から6時20分の間、私などに説明や質問を受けた後、注水準備ができるのに間に合う時間内で、追加的な説明をする準備をしていたようだ。その時、彼が発電所に電話連絡すると既に海水注入が始まっていることを知った。そのことを私を含め必要な人に伝えれば、もともと全員が海水注入は必要という意見で一致していたのだから、当然海水注入は継続されたはずだ。それなのに海水注入の開始を私に伝えることなく、自らの判断で中止を指示したと述べている。


 武黒氏は原発の専門家で、吉田所長同様、原子炉の冷却のためには注水が必要であることは誰よりも分かっていたはず。それなのにすでに始まっている海水注入を止めようとしたことはとても理解できない。