昨年暮れの総選挙に続き、今年は参院選など各種の選挙で民主党は壊滅的な敗北を帰した一年だった。他方、民主党に代わって期待を集めて躍進した「維新の党」や「みんなの党」は、自民党安倍政権の原発推進政策や秘密保護法などに賛成するなど、自民党の補完勢力であることがはっきりし、政権交代の主体足りえないことが明確になった。


  来年は極めて重要な年と考えている。まず日本で「原発ゼロ」が実現するどうかがはっきりする年だ。来年いっぱい、原発の再稼働を食い止めることができれば原発ゼロは定着する。しかし、次々と原発が再稼働されると「原発ゼロ」は遠のく。来年一年、原発ゼロに向けての勢力のしっかりしたネットワークを作りたい。


  特に重要なのは事故が起きた時に最も大きな被害を受ける原発が立地している周辺自治体の住民、議会、首長だ。たとえ国会で議席の上では自民党が多数を占めていようとも、世論調査では常に国民の半数以上が原発ゼロを支持している。こうした状況で、地元の意向を無視して原発再稼働を強行することは極めて難しい。


  原発立地地域の政治家の多くは、原発利権との関係で原子力ムラに取り込まれている。しかし、首長や議員の中で「原発ゼロ」を明確に主張している人も増えてきている。福島原発と同様な事故が起きれば避難しなければならない30キロ圏について、「全員避難」の防災計画を作り、それでも原発を再稼働すべきかを住民に問う運動を起こすことができないか、相談を始めている。


  民主党の立て直しも今年が正念場だ。原発ゼロの環境政策、社会的公正、参加民主主義、平和主義という原点に戻って、自民党に対し、政権交代可能なもう一つの政党という立場を明確にし、信頼を回復しなくてはならない。


  皆様が良いお年をお迎えくださることをお祈りしています。