数日前、福島原発事故独立検証委員会、通称民間事故調の中心メンバーである船橋洋一さんから「カウントダウン・メルトダウン」(文芸春秋刊)という著書を送っていただいた。読み始めたところだが、ちょうど一昨日と昨日、この欄で取り上げた2011年3月12日の海水注入問題が、この著書の上巻第4章に詳しく述べられているので紹介する。


    著書の上巻172から173ページで、2011年5月20日、安倍晋三氏が記者団に「海水注入を1時間近く止めてしまった責任はだれにあるのか?菅総理、あなた以外にないじゃありませんか」と話したことも紹介されている。そして「自民党は、官邸からの過剰介入が命取りになったとみて、ここぞとばかり攻めてきたのである。ところが、5月26日に、東京電力は、実際は、吉田所長の判断で海水注入が続いていたと公表した」とある。そしてその最後の部分には「海水注入中断事件を政局にしようとした自民党のたくらみは頓挫した」「自民党が政争の種にしようとした海水注入事件は、不発に終わった」と書かれている。


   興味のある方は著書を直接読んでみてほしい。「過剰介入」といった当時の私に対する自民党の攻撃が、政局利用のためであったことが明らかにされている。