福島原発の廃炉処理が、資金的にも東電の力だけでは不可能ということがはっきりしてきた。


  英国でも古い原子炉の廃炉に十分な資金が積んでいなかったため、私の視察した原子力廃止措置機関(NDA)が公的資金を使って廃炉を進めている。


  日本でも通常の廃炉についても、廃棄物処理を含む廃炉に必要な十分な資金が積んであるのかはっきりしないところがある。まして福島原発の場合はメルトスルーという世界で初めての大事故を起こした原子炉なので、廃炉にどれだけの費用と期間が掛かるか予想がつかない。そのためには電力改革とバックエンド問題を一緒に考えなくてはならない。


  民主党のエネルギー環境調査会に、電力改革やバックエンド問題などそれぞれの課題に関する小委員会が立ち上がった。脱原発を具体的に進める体制づくりや、必要な資金手当てをすることが必要。そうすれば脱原発を進めようとする野田内閣の本気度が国民にもはっきり見えてくるはずだ。