自民党総裁選の安倍元総理の公約を新聞で見ていて、「脱原発依存」の文字があって驚いた。地元山口県の上関原発計画に、これまで反対してきたという話は聞いていない。従来の自民党の主張を改め、経済界の反対を押し切って「脱原発」の踏み切るという事か。それなら歓迎だ。本当に「脱原発」を進めたいと思っているのなら、もっと具体的に説明すべき




  脱原発について、経済界の反対に加えて、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す、再処理を続けるかどうかも大きな問題となっている。極めて危険な、自然界にはないプルトニウムをこれ以上生み出さないためには、プルトニウムを生み出す原発稼働はできるだけ早く止めるのは当然だ。


 すでに発生している、プルトニウムを含む使用済み核燃料や、フランスで取り出してもらったプルトニウムをどうするかも大問題。すでに生み出してしまったプルトニウムを減らすため、プルトニウムを増殖する「高速増殖炉」ではなく、単に燃やして、他の物質にに変えるため、「高速炉」を活用する案も出されている。このような「脱原発」を進めて、生み出してしまった危険な核物質を無害化するための研究は継続すべき。しかし、再処理をやめるというと、使用済み核燃料の持ち込みができなくなるからといって、それを理由に原発稼働を主張するのは論理矛盾だ。