民主党が2大政党の一方として存続できるか、問われている。現在の民主党のコアメンバーは1990年土井たか子ブームの時の初当選組(7期生)と1993年日本新党、新党さきがけの初当選組(6期生)が中心。


  それ以前の55年体制では、野党第一党の社会党新人候補は労働組合出身が中心で、与党自民党の新人候補は世襲が中心だった。それに対して現在民主党に集まっている1990年、1993年の初当選組は、労働組合出身や世襲議員は少なく、多くはサラリ-マンや弁護士などの出身。


  そして、1996年に52人の現職衆議院議員が結集して(旧)民主党を立ち上げた。スタートは野党第二党だった。その後新進党の解散を受け、再結集して野党第一党となり、選挙で議席を伸ばし2009年に政権交代を実現。


  野党第一党が選挙で勝って政権交代を実現したのは戦後初めてだ。こうした2大政党による政権交代が常態化するかどうかは、今後の民主党にかかっている。


  民主党政権では冷静に見てもらえば、相当のことができている。子供に焦点を充てた「子ども手当」や「高校無償化」、消費税と税の一体改革、再生可能エネルギー促進のための固定価格買い取り制度、原子力行政の抜本改革などだ。行政改革など不十分な点も多いが、できたことも多い。


 小泉郵政選挙以来、劇場型の選挙がもてはやされ、人気のある党首が多くのチルドレンを当選させる傾向が続いている。しかし、イギリスのように安定した二大政党による政権交代は、党首の人気だけを頼りとする劇場型選挙を繰り返していては成り立たない。


  現在の民主党は、小沢グループの造反、離党など厳しい経験を耐え抜いたメンバーである。保守政党、自民党に対し、社会福祉を重視するリベラルで民主的な党として二大政党の一方の勢力を占める事こそ、民主党の歴史的役割だ。