こんばんは
フラワーセラピスト/花育士&自然観察指導員noriのブログにご訪問いただき、ありがとうございます
この前の日曜日のことになりますが、自然観察指導員としてイベントに参加してきました
題して『冬の自然観察会~森の探検隊 木と落ち葉のものがたり~』
上の写真は最後の打ち合わせを終え、開催場所に向かうスタッフたちです。
今回は未就学児を含め、小学生がメインの親子6組のご参加。
咲いている花も飛び交う虫も少なく、葉っぱさえ木から落ちてしまっていますが、観察対象はけっこうあるんですよ。
森の探検隊ということで、虫取り網や虫かごを持って来る子もちらほら。このやる気が嬉しいですね
会場である都立東村山中央公園のサービスセンター長からのご挨拶、スタッフの紹介を終えて、さっそくプログラムスタート
まずは、“じゃんけん落ち葉集め”
子どもも大人も関係なく、いろいろな人とじゃんけんをして、勝った人が葉っぱを拾っていきます。
拾っていくのは、持っているものとは違う葉っぱ。いろいろな形や色のものを集めていくのです。
けっこうみんな最初から本気です
とにかくじゃんけんする相手をつかまえて、どんどん勝負していきます。
じゃんけんをしている様子のない子に「じゃんけんしよう」と声をかけると、「今は葉っぱを探してるからちょっと待って」と、拾う葉っぱにこだわる子も現れてきます。
私、最初はじゃんけんに連勝して、「子ども相手に大人げなくてごめんね~」と思っていたのですが、その後なかなか勝てず…あまり集められませんでした
それでも、みんなで集めるとかなりの数が集まったはず。
みんなが集めた葉を種類ごとに出してもらって集めていきます。
最初は大きな葉からだんだん小さい葉を出していってもらいます。
たくさん拾った子は、大きなものから小さなものまで持っていましたね。
さらには、色別にわけて、それをグラデーションに並べてみたり。
風景としては薄い茶色一面の場所でも、1枚1枚を見てみると、茶色の中にも何種類もあります。一言に「濃い」「薄い」では分けられず、白っぽい茶色から赤味の強いものまで。
たったこれだけでも大きな発見です。
いろいろ仕分けをしていると「どれにも当てはまらない」という葉を持っている子がいました。
でも、実はすでに仕分け済みのもので、同じ種類なのに形が違う葉があるということを知っていきます。
落ち葉と言っても、たくさんの種類があることを知り、東村山中央公園の樹林にはたくさんの木が生えていることに改めて気づきましたね。
探してもらうものの写真をまずみんなに見せます。
木の葉に隠れた幼虫の姿を見せたのですが、この時点ではなんの幼虫かわからない様子。
今回はゴマダラチョウの幼虫を探すのですが、やみくもに探すには気が遠くなる落ち葉の量です…
そこはちゃんとヒントがあります、「エノキの根元」です
ゴマダラチョウの幼虫はエノキの葉を食べ、冬にはエノキの根元で枯れ葉の裏に引っ付いて、じっと春が来るのを待つのです
ということでスタート
エノキの木に限定しても、これだけの枯れ葉があります。
みんな手にとってはめくり、また手にとってはめくりを繰り返します。
「どれくらいの大きさですか?」などの質問に指導員が答えることで、ヒントを増やしていき、ひたすら枯れ葉をめくって探していきます。
数分後にちゃんと出会えました
頭からにょきっと出た角のような突起につぶらな瞳。そしてあまり毒々しい色ではないので、思わず「ゴマちゃん」と呼びたくなります。
ここでは3匹のゴマちゃんを見つけたのですが、なんと種類が違うとのこと。2匹はゴマダラチョウ、1匹は外来種のアカボシゴマダラ。
それはお尻の部分と背中の突起で判別できるそうです。
ゴマダラチョウはお尻の部分がVの字に分かれていて、背中の突起は3対。
一方のアカボシゴマダラは、お尻の部分がくっついていて、背中の突起は4対。
顔がよく見えるので使ったこの写真は、外来種のアカボシゴマダラです。
枯れ葉の裏以外にも、まだまだ生き物が隠れていそう。
ということで、いろいろな生き物を探すため、範囲を広げて森を探検です
木の幹や枝先など、目を凝らして見ていきます。
子どもの目線、大人の目線、それぞれ見える範囲が異なるので、みんなで協力しあって探していきます。
例えば、こんなところにも↓
木の名前が書かれたプレートの裏をめくってみると、なにやら繭のようなものがあったり、身を潜めていたクモやカメムシがびっくりして動き出したり。
たしかに寒風にさらされることなく、暖かそうですよね。
この日、東村山中央公園の東樹林で出会った生き物はこちら
・〔左上〕クヌギカメムシは、クヌギの樹皮の割れ目にびっしり並んだ卵を産み付けます。
〔中央上〕クヌギカメムシの卵のかたまり。1cmにも満たないものもありますが、ツヤがあるので、一度見つけると探しやすいです。
よ~く見ると側面に白っぽいものが飛び出ているのですが、これは呼吸管といって卵が呼吸するためのものだそうです。
・〔右上〕大きなジョロウグモが産卵を終えたようです。この時点で、もうほとんど体力は残っていませんでした。命が尽きるまでは卵のそばで守っている母の姿です。
・〔左下〕オオカマキリの卵。正しくは卵鞘(らんしょう)といって、この中に200~300もの小さな卵があるのです。スポンジのようなもので外敵から守ります。
・〔中央下〕セミの抜け殻がまだ残っていました。
・〔右下〕クワコの繭です。その名のとおり、クワにの木にぶら下がっています。真っ白な繭を作るカイコとは違いますが、近縁種ではあります。人の手で大切に育てられているカイコよりも、たしかに野性味を感じます。
それぞれを虫メガネで見て、ときには手に取ってみたりしてじっくり観察します。
資料があれば提示しながら、指導員がプチ解説を加えたりしていきます。
卵の状態、幼虫の姿や繭の中で冬を越すもの。身を潜めて越冬する成虫。そして次の春を待たずに命を終えるもの。
いろいろな生き物たちに出会うことができました。
当日観察できた生き物を紹介しましたが、最初に見たゴマちゃん、覚えてますか?ゆるキャラのようなかわいい幼虫。
あの「ゴマちゃんの気持ちになってみよう!」というのが次のプログラム。
みんなが大きな声で「ゴマちゃ~~ん」と呼ぶと…
ゴマちゃんになった私が登場
いや、私じゃない。ゴマちゃんです
何重もの枯れ葉の中で越冬するゴマちゃんの気持ちになるということで、大きなゴマちゃんを皮切りに、みんなが枯れ葉のプールへと飛び込みます
子どもはもちろん、大人も枯れ葉にうずもれるくらいに枯れ葉のプールに入っています。
前日の夜に雨が降ったこともあり、中の方に少し湿り気があったので、寝っ転がるくらいかな?と思ったのですが、けっこうみんな体が入っていますよね。
この子がTop of ゴマちゃん!と言えるくらい、すっぽり入ってしまってます
それくらい楽しかったんだよね
大きなゴマちゃんには、わざわざ枯れ葉を頭からかけてくれる心の優しい子もたくさんいました
おかげで大きなゴマちゃんは、髪の毛の間や洋服の中にたくさんの枯れ葉のくずがありましたとさ。
いろいろなかたちで葉っぱで遊んだみんなは、『いろいろはっぱ』という絵本で総まとめ
「いろいろな大きさの葉っぱ、いろいろな色の葉っぱを自分たちで見つけたよね」と今日のことを振り返ったり。
葉っぱの形が何かに似ていることから名前がついたものもあることを知ったり。
そして、今みんなの足元にある枯れ葉たちが土になって、次の新しい葉っぱが出てくる準備をするということを学んでもらいました。
そして最後のプログラム。
もう一度みんなには葉っぱを探してもらいます。
今度はとにかく自分が好きな葉っぱを3つ探して拾ってもらいます。
拾ってきた3枚の葉っぱを、窓のように穴の開いた黒い紙に貼り留めていきます。
選ぶのもそうですが、並べ方にもこだわります。
できた紙を、2本の木に渡したロープにクリップで留めて吊るしていきます。
時間的にちょうど太陽が傾き、西日に照らされてとてもきれいです
それが何枚も並ぶと…
みんなの作った『落ち葉の窓』が並んで、とても素敵です
落ち葉だけではなく、サザンカの花びらを拾って貼った子もいて、こちらの予想以上にオリジナリティに富んでいます。
今日の思い出を形に残せたね。
最後にみんなで記念撮影
今日の観察会のテーマだった落ち葉を手に持って
年齢が違うので、虫の名前を知っているかどうかの知識の量は違うこともあり、いちばん楽しかったプログラムとかはそれぞれ違うだろうけど。
でも、みんなの笑顔がこの観察会の手応えです。スタッフとして参加できてよかった~
そして、私も今日の思い出を形にしました
赤く紅葉したものを重ねたのですが、重ねた部分がちょうどモミジのような形になりました
これは私のアートの才能ではなく、偶然の産物です
ブログを読んで『いいね』をしてくださる方、
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今日も読んでいただき、ありがとうございました