日大アメフト部選手のスポーツを逸脱した暴力行為。
今日の昼間の会見で、
「監督とコーチからの圧力があって実行した」
「やるしかないと思った」
監督は「辞任するんだから弁明も弁解もしない」と逃げの一手。
そんな中で指導陣とのやりとりを明かした彼の勇気は称えたいと思う。
だけども、それを実行したのは本人ですからね。
どれほどの圧力があったとしても、実行する覚悟を決められたならば実行しない覚悟だってできたはず。
彼は自分の保身に走ったということです。
試合に出たかったんでしょう。
アメフトを続けるためには、絶対的権力者の監督に逆らう選択はなく、気に入ってもらえるような実績を挙げたかったんでしょう。
そのために、相手の選手を潰す、という選択をしたに過ぎません。
一度のタックルだけに留まらず、二度三度突っ掛かっていく様子に迷いなど見られませんでしたし。
退場させられて泣いてたそうですが、なにをか悟ったことがあったなら良かったのかも。
時すでに遅いんですけどね。
誰に何を指示されようとも。
人は自分のやりたいことしかしません。
一見、仕方がないんだと何かに決めさせられたように見えても、その決断をしたのは本人です。
試合に使ってもらえずに燻っていたところに相手選手を潰せという話が来て、それに乗っかった。
ただそれだけです。
ところがマスコミのミスリードで話がおかしな方向に行きかけています。
指示に従うしかない立場の選手に反則を強要してでも勝とうとした指導陣。
大人たちが圧力をかけたことが今回の事件を起こした!という構図を描いています。
これ、福知山線脱線事故の時にも使われた論調です。
ミスをした運転士は「日勤教育」という、ただただ反省文を書かせるだけという嫌がらせに遭う、という環境こそが運転士を追い詰め、この事故を誘発した要因だった!とJR西日本を袋叩きにしました。
・・・違いますよ。
あの事故は運転士がその手前の駅で70mもオーバーランした「大失敗」を取り返そうとして暴走、制限速度70km/hのところを116km/hで突入して起こったものです。
運転士自身が自分の失敗を取り返そうとした行動が、乗客106名の死者と562名の負傷者を出した大事故につながっただけです。
JR西日本の責任は、こんなミスだらけの運転士を乗務させていたことでした。
どちらの事件・事故も、取り巻く環境が本人を追い詰めてしまったことは一因ではあるでしょう。
が、プレーではなく相手を潰すことで試合に出たいと思った日大の選手。
自分の失敗を受け入れたくない一心で無かったことにするべく暴走し、大事故を起こした運転士。
どちらも「自分」がそう望んだことでした。
「誰かから言われて仕方なくそうした」
よくある話ですが、それは実行を決断した本人の意思です。
仕方なくは理由づけに過ぎないんですよねーー。