07:15 小雨のなか宿所を出発した我々は、新橋会メンバーが待つ銀座四丁目交差点を目指す(大げさ)
傘は要りそうで要らない。
途中、まだ静まりを保つ早朝の伝法院通りから仲見世通りへと抜け、あの雷門へ裏手からアクセスを試みる。
人の気がない雷門は、初めてだった。
あと2時間もすれば、この画面だけで数十人は写り込むんだろう。
メトロ銀座線・浅草駅へと階段を降り、発車を待つ車輌を見て驚いた。
(黄色の帯やったのに・・・真っ黄色になってるやん)
こうして時代は移っていく。
07:55 乗車時間にして18分。
我々は集合場所である銀座四丁目交差点に到着する。
指定時刻の5分前であったが、すでに他メンバーは集合を終えていた。
うち一人との『初めまして』のご挨拶もソコソコに、目的の築地場外市場へ向かって歩を進める。
傘は要りそうで要らない。
3人から6人となった我々は、中央通りを渡って晴海通りをまっすぐ進む。
さらに昭和通りを渡ったところで、突如として何やら歌舞伎的な建物が現れた。
・・・そのまんま、歌舞伎座である。
歌舞伎座の地下へ降りることになった。
売店はもう開いている。
ちょうどいい、本当にちょうどいいハムたまごロール(140円)に心が乱れる。
『ダメよ。今から築地行くんだからね!』
涙をのむしかない。
地上では幹事長が近くまで来ているという。
我々は売店を後にした。
地上に出てふと思い出したことがあった。
(そうやん、ここが歌舞伎座やったら裏手にはあの喫茶アメリカンが?)
単独行動でなかったことを残念に思ったのは、この時だけでしかない。
玉子焼き味くらべから始まった築地食べ歩きは、伊勢海老やら練り物やらと続く。
傘は要りそうで要らない。
そうこうするうち時間の経過とともに人が増え、狭い場内は歩くにも困るくらいになっている。
この日、月曜ではあるけれど祝日であった。
肝心の築地市場は休場日にあたり、一般観光客は入場できない。
いわゆる築地メシを出す店はゲートで閉ざされたその場内にある。
『あらま、ざんねーん!』
その時の、そのくらいの感覚でしかなかったことを反省せねばならない。
わずかに生じたズレであったが、このあとも我々を翻弄することになるということをまだ誰も気づかない。
その代償は足で償うことになる。
つづく