■ 7月9日、またしてもキャリーケースの出番

ねえ、聞いて。
今日(7月9日)、またあの嫌な箱……キャリーケースが出現したのよ。

このひとが「バサラ、ちょっとお出かけしようね〜」なんて、やけに明るい声を出している時は、だいたいロクな場所に行かないの。そう、病院よ。
わたしはすっかり床のタオルがお気に入りなのに、無理やり詰め込まれて連れて行かれたわ。仕方ないから付き合ってあげたけど。

■ 体重測定と、ジョリジョリの儀式

病院に着いて、まずは体重測定。
「2.8キロですね」って先生が言ったわ。
15歳のレディの体重を大きな声で言うなんてデリカシーがないわね、ってちょっと思ったけど、このひとはウンウンって真剣に頷いていた。

それから、診察台の上でわたしのお腹の「厄介な同居人(腫瘍)」のお手入れが始まったの。
先生がバリカンみたいなのを取り出して、腫瘍の周りの毛をジョリジョリ剃り始めたのよ。ちょっとくすぐったいし、変な音がするから嫌だったんだけど、このひとがずっと「バサラ、偉いね、頑張ってるね」って撫でてくれていたから、大人しくしてあげたわ。

毛をスッキリさせた後は、丁寧に消毒。それから「ゲンタシン」っていうお薬を塗ってもらったの。
このひとが先生に聞いたら、これは「化膿止め」のお薬なんですって。じゅくじゅくしている部分からばい菌が入って悪化しないように守ってくれる、大事なお薬みたい。少しヒンヤリしたけど、これで安心ね。

■ 免疫を高める「謎のお薬」

そして今日、このひとが先生から新しく渡されたものがあるの。
「免疫を高めるお薬」の、お試し用なんですって。

このひとは、それを受け取りながら先生と相談していたわ。
「とりあえず試してみて、食べてくれそうなら続けてみようかなと思います」って。

ちょっと待って。それって、わたしのごはんに混ぜるつもりよね?
この前、カリカリを卒業して「美味しいパウチ」の味を覚えたばかりの、このわたしのグルメな舌をごまかせると思っているのかしら?

■ 帰宅後のひそかな決意

家に帰ってきて、やっとキャリーケースから解放されたわ。
あー、疲れた。やっぱり自分の家の、床に敷いてあるタオルが一番落ち着くわね。

このひとは、さっそく病院でもらってきた「謎のお薬」をじーっと見つめてる。
どうやってあの美味しいパウチに混ぜ込もうか、作戦を練っているのね。

まあ、お手並み拝見といきましょうか。
上手に隠せたら食べてあげないこともないけれど……少しでも変な味がしたら、プイッてしてやるんだから。

とりあえず、今日は病院を頑張ったんだから、ご褒美に美味しいパウチをたっぷりもらう権利があるわよね?
ねえ、「このひと」、早くパウチをピリッと開けてちょうだいな。

―― バサラ