前記事で、今の私の思いを吐露させていただきました。ご心配をおかけしました。
仕事が立て込んでいて締め切りに追われていたのもあって…私の気持ちの余裕がなく、いろいろと考えすぎてしまったと思います。
たくさんの方々からエールをいただき、私の気持ちが落ち着きました。本当にありがとうございます。
精神障害&軽度知的障害者の妹(アラフィフ)が入院している精神病院の主治医(妹が統合失調症を発症した時から診てもらっている60代男性)に電話をかけました。
ミー:
先生、ご無沙汰をしております。妹がいつもお世話になっております。最近の妹の様子はいかがでしょう?
主治医:
最近はですね、妹さんの同室の患者さん達が温和な人が多いから過ごしやすいようで、落ち着いています。
それでミーさんにお伝えすることがありまして…
私事ではありますが4月からクリニック(通院のみ)の方に重点をおきまして、病院(入院施設)の方には週1日だけ通うことになりました。
それにあたって妹さんには再三、病院に週5日常勤している医師に変更することを提案したんですが、私の方がいいと申しまして…(苦笑)
なので、そのまま私が継続をして週1回となりましたが診察を行っています。
ミー:
そのことは、妹からの手紙で報告を受けました。
私はすぐに「妹がそう決めたのならそれでいいと思う」と絵葉書に書いて、送りました。妹の意思を尊重してくださってありがとうございます。
主治医:
そうでしたか…それはありがとうございます。
それでですね、ミーさんに2点のご報告があります。
まず1点目は、妹さんが「退院する」にあたってグループホームを探さなければいけないんですが、どこもグループホームの空きがないんですよ。
今まで妹さんが住んでいた地域では本当にないんですが、入院している病院の近くの地域の方がグループホームの数がありますし、今年の夏に新設されるグループホームもありますので、現在は探している最中です。
2点目は、妹さんが持っている「病気」のことです。精神病院に入院してから、その後のケアができていない状態にあります。近いうちに手術を受けた大学病院から紹介状を取り寄せて、精神病院の近くの病院に転院させようと思っています。
ミー:
そうですか…いろいろと考えてくださってありがとうございます。よろしくお願いします。
私からも…よろしいでしょうか?
先生のおかげで私への妹からの手紙が減りましたが、最近は私の子供達宛てで送ってきました。手編みのニット帽も一緒に入っていて、指導をしてもらいながら作成したんだなと思いましたが、同封してあった手紙には「私がなにかしていたらすみません」とか「ストーカーがそっちに行ったらごめんなさい」とか、私宛には絶対に書かないことが書いてあるんですよ…。
携帯電話を所持している時は私には連絡をしませんが、子供達には連絡を入れてるみたいなんです。
主治医:
あー、ニット帽はレクリエーションで作成したものだと思います。こちらとしては誰に送りなさいと指定はしませんので、妹さんの気持ちでミーさんのお子さん達に送ったんじゃないでしょうか。
それとお子さん達に連絡をすることも、ミーさんには書かないことが書いてあるというのも、ミーさんのお子さん達には言いやすいんだと思います(笑)妹さんのただの吐露なので、ミーさんが気にする必要はありません。
ミー:
結局、妹は妹の色眼鏡で相手のことを判断してるってことですよね?私には言えないことだけど、私の子供達には言えるって…言える相手を選ぶことができて、妹にとって都合がいいというか、怒らない相手=甘える相手を選んでいるっていうことですよね?
妹が私の子供達に心配をかけたいっていうように、私は思ってしまうのですが…
主治医:
「甘え」ではなくて「言いやすい」だけです。
ミーさんみたいに、妹さんは深く考えていませんよ。
ミー:
私に連絡をするのを遠慮しているから、私の子供達に連絡をするようになったということでしょうか?
主治医:
いや~、それはどうかな?
ミーさんのお子さん達に連絡を入れてるっていうことを、私はいま初めて聞きました(苦笑)
私から妹さんに「ミーさんは忙しいんだから、困らすことをしてはダメだ」と何度も伝えているのでね。まさか、お子さん達に連絡をしているとは!?(苦笑)
寂しいんじゃないでしょうか…家族がいるという温かいぬくもりを感じたいのかもしれません。妹さんはそういう安定を求めているのでね。
ミー:
子供達も仕事をしているから困るんですよ。
それに妹が退院したら、妹からの頻繁な連絡がまた再開すると思うし、私ではなく子供達に向くことも…嫌なんです。
妹は同じことを繰り返すばっかりですが、それが病気っていうことなんでしょうけど…妹が成長するというか変わることは今後あるんでしょうか?
主治医:
妹さんが昔から言っている「ストーカーがいる」という症状は私にも未だに言いますので、この妹さんの症状は…なくならないと思います。これは妹さんが幼少期にいじめられた経験から生まれたものなので…。
ただ、妹さんが安心できる人間関係を作っていけば症状は落ち着きます。それに最近の妹さんは錯乱することもないですし、昔みたいに思いを引きずらないようになってきていますので、長い目でみていけば大丈夫だと思います。
ミー:
長い目でみて…って(苦笑)
妹が統合失調症になってからもう30年近くになりますが。
妹の安心できる人間関係を作るって?母がいたって安定しなかったのに、安定する関係性ってどうやるんですか?兄や私、その家族も含まれるんでしょうか。
主治医:
いえいえ、ミーさん達は含まれていません。医療従事者に任せればいいんです。妹さんは妹さん自身で医療従事者や支援者と生活を作っていきますから、ミーさんは心配されなくて大丈夫ですよ。
ミー:
あ…そうなんですね(ホッとする)
先生、すみません…私、妹が入院してから妹と直接触れることがなくなったし、妹の面倒から初めて解放された今の生活が崩れることを恐れているんです…。
そして私が妹との接点をなくして安心したのに、次は私の子供達に連絡がいっていることも本当に嫌なんです。
妹に対しての嫌悪感が、妹と会わないことによって増えてるような気がして…そんな自分が嫌になっています。
主治医:
(苦笑)そうですか…
では私の方から妹さんに、お子さん達にも連絡をしないようにと釘を刺しておきますので。
ただね、妹さんは本能的に…というか、ミーさんやミーさんのお子さん達のことが大好きなんですよ。その気持ちは嘘ではありませんから。先週も私が病院に行ったら、妹さんが満面の笑みで「先生!いまお姉ちゃんからハガキが届いたんですよー!」と喜んでみせてくれました。桜の絵葉書をね。
ミー:(妹の思いが重いと感じた)
あー…そうですか…
主治医:
基本的には医療従事者や支援者にお願いすることですが、妹さんがグループホームに入居する時は親族として立ち合いやサインをお願いしますし、妹さんが持っている病気の件でも親族のサインが必要になりますので、こちらまでは遠方だから出てくるのも大変だと思いますが、そういう点はミーさんにお願いすると思いますので…よろしくお願いします。
結局は「親族」にくるってこと…じゃん。
私は妹の姉だから仕方がないんだろうし、そう言われるっていうことはわかってはいたけれど、なんとなく…腑に落ちない感じがするのは何でだろう?
兄がいるのに「兄」じゃないんだ!と思ったからか…
私がいなくなったら、私の子供達が「妹の親族」になるからか…
私が妹よりも長生きしなきゃなぁ…と思いました。