GINGER & ROSA
2012,イギリス・デンマーク・カナダ / 監督 サリー・ポッター
冷戦下の1960年代ロンドン、ジンジャーとローザは何をするのも一緒の幼なじみ。思春期を迎えた二人は学校をさぼって宗教や政治、ファッションについて議論し、反核運動に興味を示すなど青春を過ごしていた。しかし、反核運動への意見の相違などから、二人の友情に溝が広がっていく。(yahoo!映画)
ネタバレ避けるために一部あらすじを省略しました。
見終わってから胸にガツンと響くと同時に、私だったらジンジャーと同じように思うことが出来るだろうか?と思った。彼女と同じ年だったら、きっと出来ないだろう。彼女より年上の今でも、きっと彼女と同じように受け入れることが出来る、と断言することは出来ないだろうなと思った。大人になりきれない大人(親)と、不安定な世界に囲まれ大人に成らざるを得なかった少女。
思春期の頃なんてただでさえ心が不安定なのに、自分が明日生きられるかどうかさえ分からない、そんな中で生まれた思いを、色んな気持ちを打ち明けたいはずなのに、それを一番聴いてほしい人は、聴いてくれそうにない。そんな彼女の心を思うと辛くて。
見終わったら気軽にエルちゃん、なんて呼べなくなるよ、って友人が言っていたけれど、本当に演技が素晴らしかったです。他の子がジンジャーを演じていて、ここまで心を揺さぶられただろうか…!と思ってしまうほど。
正直気軽に観られるタイプの映画じゃないけれど、ぜひ観てほしい一本です。
余り情報を入れないほうが良いと思うので、感想はこれぐらいで。
ただ色々思うことがあって、でもそれはネタバレなしでは話せそうにないので以下ネタバレ有で感想を残したいと思います。
※以下、ネタバレ
車でローザを送り届ける場面で、怪しげな視線の向け合いがあって、でもまさか(娘と同じ年齢の子に手は出さないだろう)な、と思っていて。私の考えすぎだろう、というかそうであって欲しい。 そう思いながら観ていたのに、案の定二人が恋人同士になってしまって。
舟のシーンとか、ジンジャーにとって地獄だろうな、というかそれ以上に辛い状況だろうなと。っていうか普通自分の子供がすぐ近くにいるのにあんなことするかな…。そして友人の父親を男性とみてしまうローザもどうかな…。いくらあのぐらいの年頃とは言えそれはしちゃいけないことだってわかりそうなものだけど。
上の画像は食事の場でローザと親しくする父親を観て静かに涙を流す場面ですが、こことかもう本当に彼女の気持ちを思うと居た堪れなくて。本当にあの父親は何を考えているんだ…!
というか理論武装して大人になった気でいるただのガキだなと。ジンジャーのほうがよっぽど大人ですよ。
ジンジャーがとうとうこらえきれなくなって秘密を漏らしてしまうシーンが素晴らしすぎて、鑑賞して何日もたった今でもありありと思いだせるほどです。伝えたいことが喉まで出かかっているのに、うまく言葉にすることが出来ない。そんなもどかしさが伝わってきて、思わず涙してしまいました…。
そしてそれと同時に彼女が感情を溢れさせなければいけない状況を作った父親に対して一層怒りが強まりました。
正直彼女が背負うには重すぎるし、背負う必要もない秘密を、よく抱えさせたままにしておくな、と。彼女は母親に真実を伝えられないことで、「母親を裏切ってしまっている」という感じる必要のない罪悪感を持つことになるわけで。自分の娘に共犯者、みたいなことをさせるなんて本当に最低な父親だと思う。
正直、ローザのことをジンジャーが許すよ、って言って終わるわけですが、やっぱり私は許せそうにないなあ。というか彼女の立場だったら許せないんだろうなあ。父親のことも、出来れば許したくないなあ。
でもたぶんそれじゃあ先に進めないんですよね。だからこそジンジャーは「許すよ」と言ったのでしょう。
ジンジャーは誰にも伝えられない思いを日記に綴っていたわけだけれど、それこそが彼女が「許す」と思うことができた大きな理由の一つだと思いました。自分と、世界と精一杯向き合って、そしてそれをどうすれば良くできるのかということと戦ってきたからこそ、彼女は自分の幸せのために前に進むことが出来るのでしょう。