続き・・・・
神の名前と思われているものを前回は、「大国主」 で説明したが、今回は、それをもう少し述べる。
先ず、高御産巣日神であるが、この神は、「古事記」 や 「日本書紀」 では、神話の最後の部分である「神武統制」 の時代まで登場しているのであるが、最後の部分では、「高木神」(たかぎのかみ)という名で文献に記されている不思議があるのをご存じの筈。
実は、『記紀』 に登場しているタカミムスビは、一人ではなくて、3人登場しているのである。
最初に登場しているのは、第五代:タカミムスビ=トヨケであり、別の名を、「タマキネ」 「ウカノミタマ」 と言う。 第六代:タカミムスビノカミ は、ヤソキネと言い、高魂命(たかみたまのみこと)とも言い、造化三神のカムミムスビの事である。 そして、第七代:タカミムスビノカミは、タカキネという。
つまり、【高皇産霊神】 という名前は、役職名なのである。 では、どういう役職なのか?と言えば、
天の高天原を、地にも作り、天と地の高天原を結ぶという役目なのである。
神話では、「天」 と言えば、神の世界と考えるが、これは実際には、「天孫族」 の意味であり、
「地」 とは、天神地祇の 「地祇」、すなわち、国津神系を意味しているのである。
よろしいか、天孫族であるヤマト族の国の民族に対して、国津神系の出雲族を司っていたのは、誰かと言うと、神御産巣日神であり、高魂命=ヤソキネであったのだ。
そのヤソキネとは、第六代の高御産巣日神という事になる訳である・・・。
天の岩戸の中に閉じ籠った天照神の話しでは、「アメノウズメ」 という女神が登場するが、この女神の名前も実際には、役職名であって、この女神の名前ではない。
「アメノウズメ」 という言葉の意味は、現代の言い方をすれば、「女性の官僚」 という意味になる。
従って、ヤマト政権内に居る官僚という訳であって、天孫降臨の時に 「ニニギノミコト」 を迎えに来たという 「猿田彦」 に対して、対応したのも 「アメノウズメ」 と文献には記されているが、同じ女神とは限らない事が理解出来るだろうか。
さて、「天御中主神」 であるが、この神は、文献では、現れては、すぐに消えたとあり、何なのか?
訳の分からない神となっているが、一説では、クニトコタチ の事だと言われている。
古い文献では、一番最初に人間の肉体を以って、地上に現れた神と記されていて、天に帰ったという事で、北極星であるとする。 だが、現実には、8人の御子が産まれ、古代の日本で、その子らは、八方にそれぞれが向かい、稲作などの農作業を伝えたとも言われ、また、それぞれの方位を守る役目の神ともされている。 この8人の御子達の事を 「八王子」 と言い、現在も日本の国内で、見かける地名となって残っている訳である。
神話に於いては、天御中主神は、天御祖大神(アメノミオヤノオオカミ)であり、その周りには、八柱の神である 天元神(アモトカミ)が囲んでおり、またその周りには、天並神(アナミカミ)が囲んでいる。
さらには、その周りに 三二神(みそふかみ)がそれぞれに囲んでいるという。
この図は、一般には、「フトマニの図」 と言われているが、それは間違っている。
本当は、「モトアケの図」 と言い、これを以って、占い(行事・儀式)を行うものである。
その 「占う」 事を 「フトマニ」 と言うのである。