ぼくのなつやすみ 2013 | 自分のことばかりで情けなくなるけどそんな生き方した方が結果的に勝ち組だと思うんだけど君はどう?


ムラヤマは久しぶりに長々と実家へ帰省した。そのときの話なんだけれど。家族4人でだらだらと過ごすのはいつぶりだろう、と両親は喜んでいて、お刺身とかスイカ(赤、黄両方)とかカレーとかを食べた。人の作ったごはんはなんだって美味しい、カレーの味が少し薄くたって、嫌いなカボチャが入っていたって格別に美味しかった。美味しかったで言うと、両親と3人でカラオケへ行って夜は地元のお店で焼き肉を食べた。父の奢りだった。たらふく肉を焼いて、いろんな話をした。そのときは弟がやけに饒舌で、学校とかバイト先の話をしていたかな。で、ひとしきり食べて最後に頼んだのが「ユッケジャンスープ(激辛)」だったんだけど、今までの経験上ユッケジャンスープはどこの店で頼んでもちっとも辛くない、むしろ甘いくらいだ、甘辛いというこの世で一番嫌いな言葉がよく似合う。心底嫌いだ。甘いと辛いは共存しない。そうだろ。でね、頼んだんですよ、そうしたらいつまでたっても来なくて

私「ユッケジャンスープ頼んだんですけ…」
店員「今作ってますんで」
私「ああ、そうですか(まだ作ってないようならキャンセルしてお会計お願いしたいんですけどって言おうとしたのに、かぶせてくんなよ)」

5分後くらいにようやく来た。グツグツと煮えたぎった大きい器に入った真っ赤なスープ。わたしは思った、なんておいしそうなんだ。と。そして同時に思った。でもどうせこいつも同じさ、期待なんてしてない。と。そして同時に思った、めっちゃ辛い。(食べる描写ほどめんどくさいものはないから割愛)すんごい辛い、飲んだ瞬間にむせた、このわたしが?嘘だ。わたしは動揺を隠せなかった。家族の誰もがスプーン一杯のスープでギブアップをしていく。父なんてそれだけでもう汗だくだ。催促したみたいになった手前、残すわけにもいかず、わたしは意地で完食した。帰りの車内で「お腹がかっかする」と、30回は言ったと思う。セブンイレブンで弟にガリガリ君を奢らせた。家族の危機をわたしが救った、アイス一本タダも同然。呪文のように唱えたのだ。弟はいいやつだ。好きだ。まあ、そんなことがあった楽しい夏休みだったのです。



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