おはこんばちわ
こんなニュースを見つけました。
ついにアビガンが
コロナ治療薬として承認申請しましたね。
既に新型インフルエンザウイルス治療薬として
承認されていますが、
ここでアビガンについておさらいしておきます。
アビガンは一般名をファビピラビルといい
RNAポリメラーゼ阻害薬という種類の薬です。
我々人類などのDNAを核とする生物は
DNAを複製することによって、
自らの細胞を分裂させて増殖することができますが、
ウイルス、特にRNAウイルスはそれができません。
そのため、宿主（この場合ヒト）に寄生・感染して
宿主の細胞にウイルスのRNAを複製させ、
さらにウイルス自体の蛋白質を宿主細胞に
作らせることによって増殖することが
子孫繁栄のために必要となります。
一方、細胞を分裂させたりすることは
必要ないため、増殖速度がDNAでの細胞分裂に比べて
圧倒的に早いというメリットがあります。
アビガンはこのRNAを宿主細胞に複製させることを
阻害するための薬となります。
つまり、ウイルスが感染しても
その感染した細胞から増殖できないようにする
薬だということです。
現在は新型インフルエンザウイルスに対してのみ
承認されていますが、
その作用機序（上の効くしくみ）から
他のRNAウイルスにも効くことが証明されています。
一方で、
ウイルスの耐性（薬が効かない）の問題から
新型インフルエンザウイルスだけに適応されています。
今回、その適応を広げようと申請されたということです。
一方で、
RNAを作り出すことを阻害するのは
ウイルスのRNAだけでなく、
元々のヒトの細胞が分裂するときに
DNAを直接複製することはできず、
一旦RNAに移し替えてからDNAを合成する
という方式をヒトの細胞は取るので、
そこも一緒に阻害してしまうことから
胎児の催奇形性が指摘されています。
そのため、
妊婦や妊娠の可能性のある女性、および
そのパートナーの男性には禁忌（使ってはダメ）と
なる方針のようです。
当然子どもも成長期などは細胞分裂が盛んですから
使いにくいでしょうし、
成人でも妊娠可能年齢の女性と
そのパートナーにはには使いにくいでしょうね。
となると、メインで使えるのは
高齢者ということになるでしょうか。
治験（薬の効果をみるテスト）では
コロナ陽性患者に投与して
無治療ならPCR検査陰性になるために
平均14.7日かかるところを
平均11.9日で陰性化するとのこと。
2.8日の短縮ということですが、
まあ、正直2週間近くはかかるよということですね。
使うか、使わないか・・・。
難しいところですね。