日テレ系日曜ドラマ
「厨房のありす」

先日、ついに最終回を迎え、

五條製薬で起きた、門脇麦さん演じるありすの母が亡くなった25年前の火事と、永瀬廉さん演じる倖生の父が巻き込まれた9年前の横領事件のふたつが繋がり、真相が明らかになりましたね。


ありすのご飯屋さんから、温かく、時にチクッとするような物語が始まり、ありすと倖生の残酷な過去が絡んでくるミステリー展開のなかで


萩原聖人さん演じる誠士がありすの実父であることや真犯人だということが、最初の見立て通りだったけれど

それが当たりかどうかよりも、他の人が真犯人だったりしたら嫌だなと思っていたので、
事件としては全くもって良くないけど
誠士が悪で良かったと思いました。


最初から誠士の言うことはずっと嘘くさく感じていて、
観ていても疑う気持ちが強くあるのに、

木村多江さん演じる蒔子が、不審な行動をしたり、火事が放火だと聞いた途端にパニックになって焦り始めたり、
ありすの母親っぽいことをしてあげたいと誠士に言った時、何か試しているような口振りに聞こえたのが怖いなと思っていたし、

さらには、大森南朋さん演じる心護にまで疑いが向くような展開があって、それはきっと真犯人が仕組んだものだろうと思いながらも、

最終話を前にして、色々と急すぎて、
何が真実なのか混乱していたんですよね。


ありすから事実を訊ねられ、心護の仕業にしようとする誠士が、ありすに対して「人の裏を疑うことができない」と言っていたけれど、
それは自分にも当てはまっていることなのになと思うと、ありすと倖生を説き伏せようとしている様子が言っていることとずれているようにも感じたし、

蒔子や、北大路欣也さん演じる道隆にも真実を知られ、追い詰められた時の態度や、ありすを味方につけようとまでするのが
あまりにも見苦しくて、少し引きましたけど、

ありすが、おかしいと矛盾点を突くのが
何だか痛快にも思えました。


竹財輝之助さん演じる晃生から託された真実を、心護が頑なに隠してきたのは切実なものだったけれど、

実の父親より育ての親、
積み重ねてきたありすと心護の関係性は確かなもので、
父親は心護だとはっきりと言うありすにぐっときましたね。🥺


倖生の父を死に追いやった人間が自分の実父であったことを知り、倖生とは一緒に居られないと考えるありすだったけれど、

前田敦子さん演じる和紗の温かさだったり、
そんなありすに掛ける倖生の言葉が優しくて良かったし、

まず倖生から逃げるありすの動きが可愛くて、
倖生との関係を料理で化学で表現するのもありすらしくて、すごく微笑ましかったです。


ラストには、ありすのお店には常連さんでいっぱいになって、賑やかで温かくて、とても素敵な光景でしたし、

いつも小窓から覗いていたありすが、前に出て料理を伝えていたところに、成長も感じました。

それに、蒔子とやって来た道隆がやっとありすの料理を食べて、美味しいと言ってくれた瞬間は、
以前のこともあったからより心にぐっときて、とても嬉しかったですね。☺️