鹿児島へ向け、初の飛行機輪行へ(鹿児島市) | 日本一周(分割)自転車紀行

日本一周(分割)自転車紀行

2010年、MR4F(折りたたみ自転車)で突然西へ。
東海道、山陽道、山陰道を駆ける。

そして2年後、再び自転車に跨る…

ただし、自転車走行ではなく自転車旅行。
観光も食事も目的だし、宿泊はホテル。
普段は自転車に乗らない。

これでも日本一周できる…のか?


2014年3月20日木曜日。
この日から2014年の自転車旅行が始まった。


昨年走ったのは2回。

福岡市~熊本市~鹿児島市の九州西側と、
東京~福島市~仙台市~盛岡市の東北太平洋側。

回数としては全然走れなかったが、
ほぼ未踏だった九州を走り、
初めて北へと進めたため、
日本一周への道標はつけられた。


日本一周へ残るは、ひとまず、
鹿児島市~宮崎市~大分市~小倉の九州東側、
松山市~高知市~徳島市~高松市~今治市の四国、
鳥取市~舞鶴市~敦賀市の山陰・若狭、
盛岡市~八戸市~青森市~秋田市の東北日本海側、
秋田市~新潟市~富山市~金沢市~敦賀市の日本海、
の5行程である。

ただ、3月に走るとなると自然と選択肢は絞られ、
比較的暖かい九州東側か四国ということになる。


四国は調べると非常に日程が難しい。

松山市から高知市までが3日、
高知市から徳島市までも2日はかかる。

徳島市から高松市は近いのですぐだが、
高松市から今治市も2日。

つまり最低7日。

しかもやたらと山が多く、
どこまで走れるか見通しが立ちづらい。


一方、九州東側も難しい。

東京から移動する都合上、
初日に長距離は走りづらいのだが、
鹿児島市から宮崎市は1日で走るには微妙に遠い。

また、宮崎市から大分市は遠いが、
大分市と別府市はすぐ隣。

鹿児島市から小倉までは500km強なので
5日で走れそうではあるのだが、
どうやって刻むかは非常に悩ましい。


3月21日から23日は3連休。

その前後に3日休みをつければ6日となり、
最終日を除いた5日間フルに走ることができる。

旅程自体は悩ましく難しいが、
何とかなるだろう。

最後までどう刻み走るか頭を悩ませながら、
3月20日の朝を迎える。


昨年博多に向かった時は新幹線を使った。

しかし鹿児島まで新幹線で向かうとなると、
始発で出ても鹿児島中央駅に着くのは12時38分。

鹿児島市内でまだ観光したいところも多く、
さらに80km程度走ることを考えると厳しい。

そこで今回。
ついに飛行機による輪行に挑んだ。


羽田6時40分発のANA便に乗れば、
鹿児島空港着は8時25分。

9時30分には鹿児島中央駅に着く。

前日までに予約を確定させれば、
料金も新幹線とほとんど変わらない。

一見いいことずくめだが、
欠点はやはり輪行への不安である。







自転車を手荷物として預けることになるわけだが、
そのためにはしっかりと輪行袋に
収納しなければならない。

これまで電車で輪行する際は、
ハンドル部分は出した状態で運んでいた。

邪魔といえば邪魔なのだが、新幹線の座席の後ろにも入るし、
混む電車にも乗らないため特に問題はなかった。


しかし飛行機ではそういうわけにはいかない。

僕が使っているのはGIANTの公式輪行袋なのだが、
なぜかそのままの状態では完全には入らない。

そのため、ハンドル部分を外して収納し、
到着後にハンドル部分を元に戻す必要がある。

これまで経験がないので、
なかなかハードルが高いのだ。


MR-4Fのハンドル部分を外すには2通りあるが、
いずれも六角レンチを使って比較的簡単に外せる。

ハンドルバーだけを外す方法だと
ステム部分が邪魔になりそうなので、
ステム部分から外す方法を選択する。


ネジを外す部分は2箇所。

外すとネジ以外にも部品が取れるので、
袋に入れて保管する。

ワイヤーはそのままにステム部分を外すと、
緩衝材をつけてフロントフォークに紐で縛って固定する。


そして、いつも通り前輪を外して折りたたむ。

今回は、前輪も後輪に紐で固定。
前輪、後輪ともに念のため空気を抜いておく。

さらに外したサドルにも緩衝材を巻いて輪行袋へ。
予定通りすべてしっかりと輪行袋に収納できた。


その他、着替えなど準備を整え、
今回の旅程をもう一回細かく調べ直す。

気づけば、もう夜中の3時過ぎ。
結局、一睡もしないまま4時半に家を出る。



輪行袋
これまでの輪行。ハンドルが出てる

新幹線の後ろ
新幹線の座席の後ろにも入る

ハンドル部分
赤丸の部分を外すと、ステムから取れる




電車を乗り継いで6時前に羽田空港へ到着。
ANAの出発カウンターへと目指す。

自転車だということを告げて引き渡すと、
相手も慣れたもの。

てきぱきと手続きを済ませ、
あっさりと預け終わる。


そして荷物検査へ。
ここで予定外のことが起こる。


まず、リアバッグの中に入れていた
六角レンチが引っかかる。

サイズが小さかったため没収はされなかったが、
危ういところだった。

何しろ六角レンチがなかったら
ハンドルをつけられない。

鹿児島市に着いてから店を探して
購入せざるを得なかった。


次いで引っかかったのが、
パンク修理キットのゴムのり。

結局、このゴムのりは没収されることになる。

なんでだろう。
引火性でもなければ危険でもないのに…


まあ、替えのチューブは3本持っているし、
もともとパンク修理をするつもりもなく、
あくまで予備なので大丈夫だろう。

そう思い、出発ゲートへと向かう。

そもそも、預け荷物とした輪行袋の中に入れていれば、
何の問題もなかったのだが…

これが初めての輪行の落とし穴だ。


何はともあれ無事飛行機に乗り込み出発すると、
わずか2時間弱で鹿児島空港へ着く。

2時間といえば、新幹線だったら京都にも着いていない。
驚くべき速さである。



ANAのカウンター
荷物カウンター

自転車を預ける
係の人は慣れたもの




到着すると預け荷物の引き取り口へ。

国内線だけあって、
やはり預け荷物の利用者は少ない。

自転車が通常の荷物と同じように出るとは思えないが、
よく分からないのでしばらく待つ。

すると奥のドアが開いて、
「自転車をお預けの方ー!」
と女性が運んでくる。

慌てて奥に向かい、
自転車を引き取る。


空港を出るとさっそく自転車にまたがり…
といきたいところだが、
そうもいかない。

ここ鹿児島空港があるのは霧島市。
今日の旅程の途中のさらに山奥である。

前回僕が自転車で走ったのは、
鹿児島中央駅まで。

ここから宮崎方面に走ってしまっては、
つながらなくなってしまう。

そこで、いったん鹿児島中央駅へと
向かう必要がある。



荷物引取
鹿児島空港の預け荷物引き取り所へ




ただ、鹿児島空港から鹿児島中央駅は遠い。

しかも順路のほぼ途中にあるため、
ここから自転車に乗るとなると、
また同じ道を戻ってこなければならない。


そこで鹿児島中央駅までの移動には、
普通にバスを利用することに。

乗車券を購入するとバス乗り場へと向かい、
バスの側面のトランクルームに自転車を預ける。


鹿児島空港から鹿児島中央駅までは、
バスでおよそ40分。

東京から2時間弱でここまで来たことを考えると長いが、
まあバスだとこんなものだろう。

ちょうど9時半頃に、
鹿児島中央駅近くのバスターミナルに到着する。



バスの乗車券
乗車券を購入してバスへ




さっそく折りたたんだ自転車を取り出し元に戻す。

案の定、ハンドルを元に戻すのに手こずる。

元に戻す方法自体は把握していたので問題はないが、
何しろちょうどいい位置に調整するのが難しい。

ハンドルは常に手にする部分だけに、
少しのズレが大きな負担になりかねない。


慎重に調整し、
何とかしっくりする位置になったのは、
もう10時近く。

走り始めるまで30分近くかかってしまった。


とはいえ、新幹線で移動することを考えれば、
まだ断然早い。

平日の木曜日。
仕事で忙しそうな人たちを横目に走り始める。

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2014年3月20日

鹿児島中央駅(鹿児島市)
走行距離:約0km(google map)

■鹿児島へ向け、初の飛行機輪行へ
(鹿児島市)



折りたたんだ状態
輪行袋から取り出す

完成
30分近くかけて元に戻す