不思議なことに
憎しみとか悔しいとか
そういう感情はもうない
いや、初めからあっただろうか
そんなものではなく
とにかく
深い深い悲しみだけだったような気がする
不倫は
心の殺人と言われている
倫理に反している
自分勝手な行為
短絡的な考え
その場しのぎ
そのキーワードはいくらひっくり返したくても誰もできないだろう
今夜は夫とまた話す機会があったので聞いてみた
「自分の行為は勝手だったなと思わない?」と
責めているわけではなく
穏やかなトーンで話す
あなたの理由で今こうなっていて
私たちはそれに振り回されている
アメリカにいる以上
ここにいるためのビザが必要だから
離婚はすぐにはできない
でも別居するなりなんなりはできる
ここまで譲歩しても渋っていたので
「それは勝手やしないかい?」という問いだったのだが
彼は頭をかしげた
「え?勝手だとは思ってないってこと?」
「、、うん」
「まじか、、
それなら話は通じないかもしれないけど、、」
私が言いたかったことは
離婚には応じる
ただ今すぐは物理的にここにいられるなくなるわけだから、そこは待ってほしい
仕事探し
家探し
車探し
3つ同時にやってるから1人だと時間もかかる
ただ別居するなら今すぐにでもできる
お相手も一緒にいたいというのであればしたらいい
結婚だの離婚だの、紙面上だけのことだけなんだから
そのくらいは少し待ってほしい
という話で
本来はこんなことしなくていいことを
私はしてるわけで
それが、いや待てない、早くしてくれ
は、どう考えても勝手な気がする
「なんでそんなに離婚や結婚にこだわるの?
やはりビザのこと?
それは確かにね、相手と結婚したらビザの件はクリアになるもんね
あ、別にいじわるで言ってるわけじゃないよ」
「うん、別にその理由で一緒になりたいわけではないよ
ただ相手が早く安心したいって言うから
自分もそうしてあげたいなって」
って。
いや、自分はどうしたいんだ?
相手の言いなりか?
我々の気持ちはそっちのけか?
と、いろいろ突っ込みたかったけど
何にも言えなかった
後から思ったけど
相手が不安がってるのではなく
夫が不安なのかもしれない
この人に捨てられたら夫は行き場がなくなるから
そしてこれは
自分の勝手な理由だけじゃない
私にも非があったことを話し始めた
私の仕事のことに不満だった
休みの日はすぐに実家に行ってしまうことも
私は休みがあったけど
ぼくは休みなく働いていたことも
そんな話を聞き
間をおいて話も自分の気持ちを伝える
私は実家に行くことでオンラインの仕事ができてたこと
飲みに行ったり自由にできてたあなたが羨ましかったこと
頼りたかったことも
寂しかったことも
これもまぁ今更だね
と2人していい足りない言葉を終わらせた
「ただね、
ひどいことをしてることは確かなんだよ
本当これはひどいことなんだよ
不倫は心の殺人って言うらしいよ
私にとっては一生消えないトラウマになった
それを癒すことはできても、消せない傷であることは間違いない
それはわかってる?」
「わかってるよ」
はぁ
わかってるわかってないの問答は証明できない
意味のないやりとりも終わりにした
ただ、
過去の理由を自分で正当化し
勝手な行為だと感じないまま
今後の交渉が進むのは危険だなと感じたので
時を見てこのことは何度も言うべきことだと思った
最後の方に夫がつぶやいた
「なんでこうなっちゃったんだろうってたまに思う。
アメリカに来なければ、、って」
って。
そっか
そう思うこともあるんだね
少しだけホッとした
そして
「まぁでも、運命だったんだろうね」
人ごとのように私も呟いた
私も次の人生が待ってる
そのためのデトックスだったんだと思う
日本にいたらこんな風に断ち切ることは難しかったかもしれないし、
遅かれ早かれお互いが相手のことを責め続けていたら
いずれどこにいてもこういう事態にはなってたんだろうと思う
さぁ8月末は
いよいよ息子が帰ってくる
夫は半分はあちら
半分はこっちに帰ってくる生活は続けるらしい
そのあたりはっきりさせたいなと思うけど
息子の新学期の生活を考えると
今息子に伝えることが正しい選択かは難しいところだ
新しい先生、新しい友達
英語もまだまだ不慣れで
息子にとったらまた大きなチャレンジの時間がやってくる
家での生活くらいは
これまでと変わらずに過ごしてあげたい
ほとんど前の生活と変わってないのだから
実際夫側もすぐに引っ越してできる環境ではなさそうだし
相手のお子様たちもいるからってことで、、
何より自分が罪悪感から解放されてスッキリしたいから、話すってのだけは辞めてもらいたい
とにかく今は息子のことを第一に
私たちの勝手な行いなのだから
と、まぁ
なんともスッキリしないまだまだもやもやする難しい状況である
早く笑い話にでもなってくれたらいいなぁ
カリフォルニアの青い空のように
身も心もスカッとすがすがしく晴れ渡りたい!
そんな日が必ず来るのはわかっているけど
今はまだ苦しい
息がなかなかできない
雲はまだまだ厚く覆われている空でした