9人目の紹介です。

鈴木 健吾(神奈川大学OB)

 近年、箱根では15位前後を彷徨い続けている神大。しかし、鈴木選手がいた時は違いましたね。神大を一時でも強くした選手です。

 1年目からスーパールーキーと言えるわけではありませんでした。ただ、ロードではやはり存在感がありましたね。箱根予選ではいきなりチーム4番手となる個人33位で走ると、その2週間後の全日本でも3区9位とまずまずの走りを見せます。しかし、箱根では別区間の予定でしたが、急遽山下りの6区を担当することに。ここは準備不足もあってから区間19位に沈んでいます。

 2年目になると大きく成長してきますね。全日本予選ではやや予想外の最終組を任されると5位と快走!一気に注目される存在になりましたね。その後の記録会で1万m28分台に突入。すると箱根予選ではチームトップとなる個人9位に入ります。そしてその後の全日本でも1区8位と好走します。その活躍もあって箱根2区を任されますが、レース展開の読み違いで前半を自重してしまい、区間14位に留まっています。

 3年時は学生長距離界のエースにいきなり成長。関東インカレ1万m3位と表彰台に上ると、全日本予選では最終組で日本人トップの4位に入ります。そして、5千m13分57秒、1万m28分30秒にまで縮めると、箱根予選では日本人トップとなる個人3位という記録を残します。そして満を持して臨んだ箱根2区は、強豪校のエースの集団の中でも主導権を握り、後半に抜け出す走りを見せて区間賞!凄まじい走りでした!その後の日本学生ハーフマラソンでは61分36秒優勝を果たしてユニバーシアード出場権を獲得しています。

 4年時は若干苦労したでしょうか。関東インカレ1万m4位、全日本予選は最終組5位ながら日本人3位と期待されたほど走れていないかなあという気がします。そして、故障の不安を抱えて臨んだユニバーシアードハーフマラソン3位と他の日本人選手に先着を許しています。その後は故障を治すことも兼ねてチームから離脱。出雲は欠場します。復帰戦となった全日本では最終区間の8区を任されると前にいた東海大を4kmで追い抜き、そのまま逃げ切って総合優勝を達成!個人としても区間2位と素晴らしい走りでした。その後のマラソン練習をしながら臨んだ箱根2区は日本人3位の区間4位でした。その後の東京マラソンでは2時間10分台で走りきっています。

 卒業後は富士通に所属。社会人1年目は故障やマラソン練習もあり、デビューが12月になりましたが、その後のハンブルクマラソンでMGC出場権を獲得します。迎えたMGCは集団を引っ張ったりする積極的な走りを見せ、7位という結果を残しています。

 マラソンでの東京五輪出場は叶いませんでしたが、好調はまだ維持していますね。先日の記録会でも1万m28分23秒と自己ベストをマークしています。ニューイヤー駅伝にも出場して、富士通・個人ともに強くなっていってほしいです。