5人目の紹介です。

神野 大地(青山学院大学OB)

 山の神。箱根駅伝5区で人間離れした走りをしたランナーはそう呼ばれる。山の神はこれまで3人呼ばれてきたが、その3人目がこの神野選手である。

 高校時代はそこまでずば抜けた成績があるわけではなく、1年時も故障続きで全く出番はありませんでした。台頭してきたのは2年時、関東インカレ1万mに出場すると、その次の全日本予選では3組4位と快走を見せました。春先から出てきたばかりなのですが、すごい成長ですね。そして、駅伝シーズンはエースとして活躍!1万m28分41秒まで伸ばすと、出雲は6区4位、全日本は2区6位、箱根は2区6位という成績、箱根の華の2区でも上位に食い込んできました。

 3年時は青学全体が力をつけてきました。個人としても関東インカレハーフマラソンで見事優勝を果たします。出雲は中止も6区予定、全日本でもアンカー区間8区を任され区間3位と力をつけています。そして、圧巻だったのは箱根5区ですね。半世紀は超えられないと言われた柏原選手の区間タイムを超えて区間新記録を達成!チームも総合優勝を果たし、一躍時の人となりました。その後の都道府県駅伝でもチームが棄権するなど苦しい中、区間3位と激走、ハーフマラソンの大会で61分21秒で走るなど大学トップクラスの選手になっていきます。

 ただ、この連戦が祟ったのか疲労骨折が見つかります。それが治っても何回か再発し、春シーズンはほぼ音沙汰無し。駅伝シーズンも出雲は欠場します。そして復帰した全日本も動きが悪く8区8位に留まり、全日本優勝を逃しています。箱根も、本人も監督も走るとしたら5区ということで、本当に出場するのかどうかかなり懸念されていましたが、間に合わせましたね。前年より3分程タイムを落としましたが、それでも区間2位なのはやはり力があるからでしょうか。チームの総合2連覇にも大きく貢献しています。

 卒業後はコニカミノルタに所属。その間に1万m28分17秒、5千m13分台と着実にタイムを縮めます。そして、2年経ってコニカミノルタを退社。プロランナーとなり、本格的にフルマラソンを極めていきます。腹痛に悩まされて中々結果が出ない状態が続きましたが、安定感を身につけてMGC出場を果たします。中盤に離されて17位に終わりますが、その後のアジアマラソンで見事優勝!少しずつマラソンでの勝負強さが出てきているでしょうか。

 目標としていたマラソンでの東京五輪出場は絶たれましたが、これからも現役で競技を続けていくそうです。次なる指導者としての目標のために満足行くまで陸上界を盛り上げていってほしいです。