久々のブックレビュー。
しかも珍しく恋愛小説の感想です。
これは図書館で借りた本。
山田詠美は「AtoZ」「風味絶佳」が好きで、これも大人の恋愛をテーマにしてるのでどんなものかな、と思って読んでみた。
「心中する前の心持ちで、つき合っていかないか?」
そう言ってつきあう2人、特に、42歳なのに一見しゃべり口調や態度が少年のような男のほうは、頻繁に「死」を匂わせる言動をする。ストーリー全般で、他愛もない日常が死と隣り合わせであることを意識させられる。
死があるからこそ、平凡な生が輝くとも言えるんだろうね。
一番印象に残ったのは、主人公が自分の過去の恋愛経験と今の恋愛について思考している部分の以下のくだり。
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どうりで、何度恋愛しても失敗する訳だ。出し惜しみした思いは、その側から使いものにならなくなって行って、やがて賞味期限が切れちゃう。そんなものばかりを心に保存していたら、新しい思いを入れる場所もなくなる。(中略)
栄は、どんどん、私に愛情を使わせる。湯水のように無駄づかいさせる。けれども、私は、いつだって潤ったままだ。何故なら、彼自身も都合のよい男になって、私に愛情を注ぎ込むのをやめないから。
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はたから冷静に見ると恥ずかしいくらい恋に溺れてる感じだけど、情熱は枯渇しない。
これは恋愛に限ったことではない気がする。
ケチらず思いを注ぎ込むこと。心までエコになっては心はすぐ腐ってしまう。
それを覚えておくことにしよう。
無銭優雅