わっちのガイドライン -19ページ目

たとえばの話。





「当会場は、ディズニーキャラクターの仮装でご参加ください。」という





ドレスコードのあるパーティーに、急遽参加することになったとしよう。











そして、目の前にはジャファーミニーのかぶりものしかなかったとする。





もちろん男である僕は、ジャファーに扮するのが筋というものなのだろうが




ジャファーがどうにも好きではなく、あまりしっくり来る仮装にもならなかったために




まぁ、すっぽりかぶる形式だから、ばれないか!と思い、ミニーに扮したとしよう。








いざ会場についてみると「あぁっ、ミニーだ!!!ミニーがいる!!!」という歓声。



こんなに僕を見てはしゃいでいる子の前で



ウンコずわりしつつ「中身変なオッサンだけどね^^」と言い出したら



どんなに人を傷つけることになるだろうか…!



ミニーの格好をしているのだから、ミニーらしく振舞うのが流儀ではないか、と思い



仕方なく手を振ったり、投げキスをしたりして、ミニーらしく振舞う。



ここまでは何もおかしくないはずだ。




これも運命だ。この会場ではミニーとして、演じきろう。



僕にだってエンターテイナーとしてのプライドがある! と



変な発破をかけ、ミニーを最後まで演じきったその時…





まさにその時…






何らかのアクシデントで、急にパーティー会場から誰も出入りできなくなってしまい





「救助がいつ来るかわからないが、食料なら十分ある。」という事態に巻き込まれたら





あなたならどうするだろうか。






続々と仮装を解除する参加者たち。



「ふぅ、暑かったよ。アースラの被り物は。」 次々と中の人があらわになっていく。



まだアースラジーニーならいい。まだいい。



よりにもよって、ミニーを選んでしまった事を心から後悔するが、もう遅い。







「食料あるし、救助も来るなら、まぁ、いいかーw」と安堵する参加者たち。



ミニーといっしょだもんね~♪」と明るい笑みを浮かべ、僕の脚にすがりつく女の子。



こんなとき…あなたならどうするだろうか…!



ここもカミングアウトのタイミングではあったように思うが



またしても優柔不断な性格が災いし、ミニーを演じ続けざるを得ない流れになる…。








「僕…いや、私は、みんなの夢を守らなければならないのだ…!」




こうして一人のネカマが、いびつな産声をあげた…。






彼は


男を手玉にとるためではなく


女をたぶらかすわけでもなく



人々の夢を、希望に満ちた世界を


秩序ある暮らしを、安寧なる日常を守るべく


いつわりの、そして、かりそめの肉体を維持せざるをえなくなった…!!






これは、そんな不器用で悲惨な男が



夢を守るためにピエロを演じ続けた



滑稽で希望に満ちた、無謀な記録である。