色の詩 | 闇とブルー

色の詩



「遊び」

幼いころの遊びで好きだったもののひとつに
手鞠を眺めることがありました
五色や金の糸が複雑に
しかし正確に幾重にも織り込まれていて
くるくると回しながら糸をなぞり
いったいどのように巻かれているのか
思いを巡らすのが楽しみでした
小さな鞠の上で幾つもの色が出会い
絡まりあい
幾度も待ち合わせする
それは色彩の天球儀
畳に転がすと
軌跡は花の帯となり
夢の先へと伸びてゆきました
わたしはその花道を走って
蝶の羽根の代わりに
スカートを広げてははためかせました
わたしの色は
未来で新しい色と待ち合わせて
噴水のようにぱっと閃光になり
飛び散ってゆきます
甘い林檎の匂いを放ちながら