大きな旅館みたいなところ。
そこは島で唯一、
「結婚式場」として使われている場所だそうです。
(今は他にもできたかもしれませんが)
通された部屋は大広間、超デカいっす!
すでに避難している人たちでいっぱい。
何人いたかハッキリ覚えていませんが
100人ほどいたかな~。
学生ばかりでなく、家族連れも多かったですね。
しかし、畳の上で転げまわれますが
当たり前のことながら、布団なし!食事なし!
でございました。でも水と火が使い放題なのは
ありがたかった!
寝床が決まると腹が減ります。
「hiko、メシどうする?」
「何があったっけ?」
「インスタントラーメンとさっき炊いたメシ」
「じゃあラーメン作ってプラス冷や飯だな」
すると大学生Eが・・・
「hiko、ラーメンライスにすればいいじゃん」
「ラーメンとご飯だろ」
「違うよ!ラーメンの中にゴハンを入れたやつだよ。
すごく美味いの知らないの?」
「ええ~、それ知らない。じゃあ作ってよ」
とりあえず2人前を作ってもらうことにしました。
で台所をEに任せて部屋に戻り、僕は友達としばし談笑。
数分後、僕(hiko)は様子を見に台所へ歩いていくと
台所からでてくる、よそのおばちゃん二人が
「あれ、すごく変わってる(料理)ね・・・」と
言葉を漏らしたのを僕は聞き逃しませんでした。
Eのところに行くと鍋のインスタントラーメンに
飯ごうのメシをぶち込んだものを
ぐつぐつ煮込んでおり、それはまるで
おじやの中に大量の麺をブチ込んだ奇妙奇天烈な
品物ができていました。
(スープは飯がほとんど吸っちゃってなくなっている)
hiko「こ、これが・・・ラーメンライス?」
E「・・・(無言)」
想像しているものと明らかに違ったようでした。
hiko「つくっちゃったから、これはこれでしょうがない。
もう食い物がないから、これはH(自営業)とN(大学生)とA(公務員)に
食べさせて、おれらは冷や飯のままでいいから別にして食べようよ」
E「・・・・(こくりと頷く)」
ラーメンライスをHとNの元に運んだら
「ええ~~ッ!」「これを食べるのかッ!」
もの凄く不評でしたが、他に食べるものがないから
ちゃんと食べました。
ラーメンライスを食べてるとラーメンの匂いにつられて
周りの奥様たちが何を作ったんだろうと見にきたりしますが
食べてるものを見た瞬間に戻っていきました。(笑)
しかし10分後、ラーメンと冷や飯を別にして
食べてた僕らがブーブー言われたのは言うまでもない。
とにかく食べるものが完全に底をつき
外の雨がやんだときを狙って買出しに出かけました。
それで近くの「よろずや」に入ると・・・
無い・・・食べるものが完全になくなっていました!
お菓子、缶詰はもちろん肉野菜・・・本当に
なにも残ってないんです!
カラッポ・・・。
店の人に聞いても、他の店でもまったく同じ
状況だと言います。
帰京後に知ったんですが、台風の接近で
島から帰れない大勢の人が取り残されていたのは
もちろんですが、台風が超スローペースで移動しているため
食料物資を伊豆諸島に届けられなくなっていて、
中でも神津島の状況が一番深刻だったとニュースで
放送していたとのことでした。
実はこのあたりから帰京するまでほとんど
記憶が飛んでいるんですよ。
何を食べて、どう過ごしていたのか・・・
ただ、ハッキリ覚えているのが2つ。
畳の大広間に避難できた喜びから
若い連中があっちこっちでプロレスを始めて
管理人から超ド級の大目玉をくらったこと!
「あなたたちは避難でここに来てるんでしょう!
何、プロレスやってるんですかっ!
そんなことをするなら出て行ってくださいっ!」
その後はみんな、信じられないくらい大人しくなりました。
そしてお金もつきて、どうしようかと考えていたら
友達の公務員Aが自分の上司に電話して
翌日ぐらいに郵便局員がお金を持ってきたことです。
上司に電話して「金を送れ」は、
あまりないことでしょうね。(笑)
そんなこんなで台風も無事通過し、
船が来る知らせが入りました。
「ヤッホーッ!」
しかし船には当日分のチケットを
持っている人が優先的に乗れるということで
避難組は「あ~あ・・・」
でした。
しかし!
なんと!
結婚式場でプロレスする連中は早く追い出しちゃえ!
とばかりに、役所が頑張ってくれたようで
なんと第1便に乗り込むことができました!
役所の力、スゲエーッ!!
帰りの船から見た神津島が、
台風一過ということもあり
好天でめちゃくちゃ綺麗だったなあ(遠い目)
一緒にいた友達も
「神津島って、あんなに綺麗だったんだ・・・」
本当はもう一度行ってみたい神津島。
いつか、また。
きっと、また・・・。
◇避難した結婚式場で女性や子供たちを除いた
一部のアフォな人たちの集合写真。
分からないでしょうけど、僕も写っていますよ♪
(写っている人はみんな、避難している人たちの一部です。僕もいます!)

間違いなく僕、hikoの青春の1ページでした。
追記。
この神津島メンバーの一人、大学生Eは後に某県の大学教授になっていました。
その情報からやはりメンバーの自営業Hが調べてメールを送って見たところ
、
返信が届きました。『そのH君の名前は知っていますが・・・』名前をかたった迷惑メールでないかと
疑われ、今回掲載した神津島で撮った写真を送信してやっと信じてもらえたとのこと。
【今回の神津島参加メンバーの現在】
・大学生E・・・大学教授となる。結婚し子宝に恵まれる。
・自営業H・・・家業を父親から受け継ぎ現在に至る。結婚。
・公務員A・・・結婚し、千葉県某所に引っ越す。現在、不明。
・大学生N・・・後に東証一部上場企業の某県支店長になるも、転職し
某社にて営業活動中。国際結婚し子宝に恵まれるも離婚。
・hiko(僕)・・・現在東京の会社で働くも相変わらず気ままな生活を送る。未婚。
良い女性がいたら紹介してください。ただし・・・
貯金はありません! (; ・`ω・´) ビシッ
ママス&パパス 夢のカリフォルニア