【貴方は知っていますか】ドッペルゲンガー(※ 再掲載) | Let's easily go!気楽に☆行こう!

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ドッペルゲンガー(独: Doppelgänger 自己像幻視)とは、

「生きている人間の霊的な生き写し」を意味し、

単純な和訳では「二重の歩く者」となります。

ドイツ語で doppel(ドッペル:二重)という

意味からきた言葉であるといわれています。


つまりもし、もう一人の自分が

そこにいたら、あなたはどうしますか・・・







ドッペルゲンガーの特徴は、

(1)ドッペルゲンガーの人物は周囲の人間と会話をしない。

(2)本人に関係のある場所に出現する。

などがあげられており、

「ドッペルゲンガーを見ると死期が近い」と言われています。

また、自分のドッペルゲンガーを見た人は

そのドッペルゲンガーによって殺されるという

言い伝えもあるようです。


では、もし、ドッペルゲンガーに遭遇したら

どうすればいいのか。

<回答>

どういう言葉でもいいので、

そのドッペルゲンガーを

罵倒すれば助かる。

というのですが、本当でしょうか?(笑)


過去の偉人でドッペルゲンガーを見たという人物では

「エイブラハム・リンカーン」

「芥川龍之介」

「帝政ロシアのエカテリーナ2世」

に記録が残っております。







芥川龍之介は『二つの手紙』のなかで

妻とコンサートに行ったとき

小用で席を外し、戻ってみると

妻の横に「もう一人の自分」がいるのを見かけます。

詳しくは

芥川龍之介『二つの手紙』をお読みください。

以下のアドレスからご覧になれます。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/165_15240.html


ドッペルゲンガーを見てしまった芥川龍之介・・・。

彼はどうなるのでしょうか。







芥川は、未発表で未完の小説を書いていました。

タイトルは、『人を殺したかしら』

ストーリーは・・・


青年が人を殺す夢を見ます。

しかし、その事件は翌朝になると実際に起こっています。

しかも夢で殺した被害者と、

実際の殺人事件の被害者はとても良く似ています。

また事件は、全て自分の近辺で起こっています。

青年は

「もしかしたら、本当に自分が殺しているのかもしれない」

と、悩み苦しむようになり、

そしてそれは「もう1人の自分がいるのかもしれない・・・」

という悩みへ変わっていきます。



まるで、ドッペルゲンガーに悩む自分を

題材にしたような小説ですが

芥川の死の前日の夜、

連載していた小説の原稿を取りに、

編集者が芥川家を訪れました。

原稿はまだ出来あがっていないため、

編集者は、芥川の後ろに座って待っていました。

そして彼は机の上に置いてある、書きかけの小説を見つけます。

それが『人を殺したかしら』でした。


「新作ですか?ちょっと拝見してもよろしいですか?」

編集者が原稿に手を伸ばそうとした時、

「それに触るなっ!!それは失敗作だっ!!」

と芥川はなぜか突然叫びながら

その原稿を取り上げ、

赤ペンで自分の名前をグチャグチャに塗りつぶし、

本文に大きな×印を殴り書きし、

原稿の全てをビリビリに破いて

廊下に捨ててしまったといいます。


芥川のあまりの気迫に驚いた編集者は、

その日は帰る事にしました。


翌日の朝、

再び編集者が芥川家を訪ねると、

多量の睡眠薬を飲み布団の上で死んでいる芥川がいました。

そして、芥川が狂ったように赤ペンで塗りつぶし、

破り捨てたはずの『人を殺したかしら』の原稿が、

なぜか完全な形で机上にキチンと置かれてありました。



未定稿『人を殺したかしら?』は

「芥川龍之介未定稿集」(葛巻義敏編・岩波書店刊)

に収録されています。

ちなみに発表されたものは

(ほぼ未定稿と同じ)『夢』という

題で各種全集などで読めます。












「ドッペルゲンガー」・終




※ 2010年7月2日「ドッペルゲンガー」を再掲載しました。