ある男が一人で登山に出かけて
行方不明になったときの不思議なお話です。
男は朝早く出かけたきり、戻ってきませんでした。
2年後、山奥の湿地帯で遺骨が発見され、
遺留品も回収された。
遺留品から2年前に行方不明となった男であることが
判明した。
遺留品の中には、テープレコーダーがあり、
録音テープには大声で助けを求める男の声が録音され、
また録音内容から男は怪我をして、
身動きがとれなくなったことが判明。
テープのことはマスコミにも公表されたのだが、
実は遺族も警察関係者も
公表を控えていた部分があったのです。
(録音されたテープより)
一日目
「右足が・・・折れたようだ。
左足も足首が捻挫しているのか
力が入らない」
「食糧より、飲み物が欲しい・・・」
「真っ暗だ・・・誰か・・・助けてくれ」
「夜になると人の声がするようだ・・・
気のせいだろうか。
誰かが呼んでいるようだ・・・
あれ・・・人の・・・声?」

二日目
「助けて・・・声が聞こえる!
夜になるとあいつがやってくる・・・
闇から呼んでいる・・・
昨日より声が近くなっている・・・
怖いよ・・・
お願い、助けて・・・
とても怖い、とても・・・
誰か、助けて!」

三日目
「あいつが、すぐそばまで来ている!助けて!
怖い・・・近くまで来ている・・・
お願い・・・誰か・・・助けて・・・
ひ・・・あいつ・・近・・・・怖い・・・たす
すぐそばまで・・・助け・・・
声が・・・
お願い・・・た・・す・・・・て」
テープはそこで切れていた。
その後は、テープに何も録音されていなかった。
警察はこのテープを詳しく分析にかけてが
男の声以外、怪しい音や声は入っていなかった・・・。
二日目までは。
実は、三日目のテープが最後に切れるところで、
そこだけ何か違う音が録音されていたのです。
そのことに関して、専門家も分析が不可能でした。
それは遭難した男の声とは違う、あきらかに別の人間の声。
レコーダーのすぐそばで発せられている、
耳元でささやかれたかのように、はっきりと。
「オイ」
◇雪山登山の怖い話
※2010年4月15日の記事の再掲載です。
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