都市伝説 vol.103【未知の生物、オリバー君】 | Let's easily go!気楽に☆行こう!

Let's easily go!気楽に☆行こう!

映画、写真、B級グルメ、格闘技、そして少しばかり日常を語る雑記帳です。

1976年、「チンパンジーと人間の中間にあたる未知の生物」

「ヒューマンジー」
という触れ込みで話題となった生物が来日した。

その生物の名前は、オリバー君(生年不詳-2012年6月2日)と言った。





Let's easily go!気楽に☆行こう!





オリバーは1960年にアフリカのコンゴ湾上流で捕獲され、アメリカでサーカスの

調教師夫妻に飼われていたところを、弁護士のマイケル・ミラーが購入したと言われる。

購入額は8000ドルで当時オリバーは推定年齢16歳だった。

来日時には身長140センチ、体重56キロ。

オリバーが謎の類人猿とされた根拠は「直立二足歩行をすること」「頭髪が薄い外見」

「人間の女性に発情すること」「ビールを飲み、煙草を吸うこと」などである。

特に染色体の数が人間が46本、チンパンジーが48本なのに対して、オリバーは

47本であることが強調された。

また、オリバーが捕獲された地域では原住民とチンパンジーが共生する風習が

あるとも説明された。


しかし!


後に日本の放射線総合医学研究所における検査でオリバーの染色体は48本で

チンパンジーと同一だったこと、腰椎のレントゲン検査により腰椎の数も

チンパンジーと同じ4個、血清蛋白のパターンもチンパンジーと一致したことが判明している。

( ̄□ ̄;)



1976年7月のオリバーの来日は、興行師の康芳夫の仕掛けである。

康はアメリカで話題になっていたオリバーに目をつけ、所有権を持つマイケル・ミラーと

契約をして日本での興業権を得た。日本中を巡回してまわり、どの会場も満員だったという。

特別チャーター機で羽田に到着したオリバーをタラップから降りさせ、

来日歓迎ディナーショーには正装で出席し、宿泊するのはダイヤモンドホテルの

スイートルームにするなど、オリバーを人間扱いした巧妙な演出は、マスコミの興味を惹き、

連日の報道はオリバーを一躍ブームにした。しかしながら実際には多くのホテルで宿泊を断られ、

檻に入れる条件でやっと客室を確保できた。

このときホテルでオリバーの世話をしていたのがIVSテレビのアシスタントディレクターだった

テリー伊藤である。テリーは糞尿を垂れ流すオリバーに腹を立て、暴力を振るった結果、

オリバーはテリーに恐れをなし、二度と視線を合わせようとしなくなったとのことである。

特に日本テレビでは出演料500万円を払い、1976年7月22日に「木曜スペシャル 

謎の怪奇人間オリバー!」と題して、学者らが鑑定分析する模様を放送して

24.1%の高視聴率をあげた。

ちなみにこれを担当したのが日本テレビの社員ディレクターだった矢追純一であった。


ホテルの客室は最上級のスイートルームで、VIP並の扱いをすることにより

話題を盛り上げようとしたが、高視聴率に気を良くした日本テレビはさらに

オリバーの「花嫁」を募集。「オリバーの子供を出産したら1,000万円の報酬が支払われる」

という報奨金まで設定されたため、これに対して数十人の日本人女性が応募する反響があった。

最終的に、無名の19歳のタレント(現在は占い師を営んでいる)を康が個人的に選び、

記者会見まで行われた。しかし、この前代未聞の企画は実現するには至らなかった。


アメリカに帰国したオリバーを待ち受けていたのは、マイケル・ミラーから売却され、

所有者の間を転々として、サーカスや見世物小屋で見世物として扱われる生活だった。

そして、見世物として飽きられてしまった1980年代末になると、今度は化粧品会社の

実験所の1.5メートル四方の小さな檻で7年間を過ごした。







.