大抵魔法の力だとか、船の真後ろのエンジンなどで飛行しているのだが、
これはもちろん現実には今のところ実現不可能な技術だ。
だが、不思議なことに、飛ぶはずのない物体が飛行しているのを目撃した人物は、
世界に大勢存在する。
12世紀のアイルランド。クロエラの町にあった教会では、
その日今日かいの中で祈りを捧げていると、突然建物全体が大きく揺れた。
一同が外に出てみると、なんと巨大な船が浮かんでいたんだいう…
その船からは鎖につながれた錨が伸びており、これが教会に引っかかっていたのである。
人々が唖然としていると、上空の船から乗務員らしき人物が顔を出した。
かと思うとそのまま縁に手をかけて飛び降りたそうだ。
しかし、その人物は落下せず、そのまま空中を遊泳するように降りてきて、
引っかかった錨を取り外そうとしたという。
人々はこの乗務員を捕らえようとしたらしいが、それを司祭は止めたのだそうだ。
結局、錨は取り外せず、乗務員は錨を断ち切ってしまうと、そのまま船に戻っていった。
しばらくして船はゆっくりと動き出し空高くに消え去ったという。
＜終わり＞
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