◇第2話~
調べてみると、直近では翌週に
正彦が参加できるパーティーがあった。
場所は前回行った銀座とは違う場所にしようと
新宿開催のパーティーをチョイスした。
これで決めてやる!
正彦はかなり意気込みは前回一緒に行った友人の
田沼真一以上であった。
決戦は2週間後、場所は新宿!
土曜の昼過ぎ、正彦は新宿駅から西新宿方面の
某ビルにあるパーティー会場へと向かっていた。
ほどなくして会場に到着し、受付で入場用紙に記入を終え、
場内に入ると、正彦は少し戸惑った。
前回と違って人が、少ないのだ!
前に参加したときは、男女ともにやたら人が多かったが
今回は驚くほど少なかった。
すでに椅子が並べられており会場の片側に
女性が7人座っており、反対側の男性側は
椅子が八脚置いてあり正彦は最後から数えて
二人目の着席であった。
正彦にとって、人数・・・特に女性陣の少なさには
正直ガックリだった。
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正彦は着席すると、それとなく正面に座る7人の女性を見渡した。
左橋から順々と見ていくと、中に一人だけ目立つ女性がいた。
顔立ちは細面だが目鼻だちがハッキリした美人タイプで、
何より髪の色が、並んだ他の6人より明らかに明るい。
茶色というより、極端に言うなら金髪に近いぐらいの明るさだ。
うかうかすると、どこか高級キャバ嬢のように目立っていた。
一通り見渡した正彦は
「あの目立った女性しかいないな・・・」
この時点でハッキリとお目当てが決まった。
やがて時間となり、パーティーが始まった。
最初は前回と同じように自己紹介を異性に繰り返す。
しかし前回と違い、今回は人が少ないのでより多くを
話すことができたのは、外見よりどちらかというと
トークで人を引きつけるタイプの正彦にはラッキーだった。
やがてお目当ての美人との自己紹介の番となる。
女性「お仕事は何をされているんですか?」
正彦「建築関係の会社で経理をしています。あなたは?」
女性「・・・・・美容院でアルバイトをしています」
挨拶程度の会話なので、良い印象を与えたかは分からなかった。
一通りの挨拶が終わったところで、
「第一印象カード」といって、初対面ながら
インスピレーションで好印象を得た異性の番号を紙に書き、
その書いた番号の相手にその紙が届くゲームである。
これで第一印象で誰が誰に好意を持ったかが分かるのだ。
正彦は当然、目立った女性の番号を書いてスタッフに渡す。
2、3分後、正彦のもとにスタッフから一枚の紙が届いた。
開いてみると、あの美人さんが僕に気があるのがわかった。
よしっ!
正彦は心の中で握りこぶしを作った。
そしてフリータイムの時間になった。
前回はフリータイムが分からず、まごまごしているうちに
話をする女性がいなくなってしまっただけに、
気合い入りまくりの今回は、出遅れてなるものかと
すでに椅子から腰が浮きかけている。
「それではフリータイムです!」
司会が言葉を言い終わるかどうかのタイミングで
正彦はカール・ルイスやウサイン・ボルトも真っ青のダッシュで
美人さんのところに駆け寄った。
正彦「よろしかったらお話しがしたいのですが、いいでしょうか?」
女性「えっ、あ・・・ハイッ!」
第一印象カードが届いている訳だから、ここまでは順調なのは至極当然。
正彦「先ほど自己紹介させていただいたとき、
もう少し話がしてみたいと思ったので御免なさい。
藤川正彦です。お名前はなんて仰いましたっけ?」
女性「宇津井沙織です」
<第2話 終わり。>
第3話に続く
この後、正彦と沙織はどうなるのか!?
そして正彦がまったく予想し得ない驚愕の展開をすることになる。
いったい何が待ち受けているのか!?
※この物語は、実際にあった話に基づいて書かれています。