メコンデルタとぼくと5つの島 -4ページ目

100121 結婚式

ある朝

のんびりしていると


ロアンが結婚式に行こうと

言ってきた。


暑いし、両方とも知らない人だし

行かないって言ったら


昨日会ったでしょ

って切れられた・・・


会ったって言ったって・・・

あなただけでしょ

ぼくは会ってないよ・・・


でも、まぁいいか


サンのバイクでベンチェーの

森に囲まれた会場へ行く


入り口には等身大位の

夫婦の写真があった。


キレイな人だ


是非写真をたくさん撮ろう

と思っていたのだけど・・・


まだ、会場に現れてないようだったので

席につき食事を始めた


案の定

近くに座っていたじいちゃん軍団につかまり

ココナッツの強いお酒を飲まされる。


タイマンで順番に一気飲み・・・

ぼくとじいちゃん1

ぼくとじいちゃん2

・・・


ぼくは限界に達し

会場で倒れこんでしまうと


ロアンがすごい形相で

こっち来てじいちゃんとぼくに

怒鳴ってた。


ふと、ロアンに


「新婦遅いね~」


って言ったら


「・・・何言ってるのそこにいるじゃない」


「・・・」


「えっ・・・」


「あのさっきから新郎と写真撮られてる女性?」


「・・・」


新婦はものすごく写真写りがいい事を

ここの皆は気づいていない様子だった。




にほんブログ村 海外生活ブログ ベトナム情報へ

「メコンデルタとぼくと5つの島」



結婚式の入り口にあった写真は

なぜかものすごくキレイに写っていた。

合成なのかな・・・


最近は全く写真を写さなくなった・・・
メコンデルタとぼくと5つの島-ベンチェーのカフェ


090910 夜のカエル

スコールが来た日の夜は

子供たちは自転車に乗って

どこかへ行ってしまう。


ぼくは最近、

夜は遊びに行く。


帰りはいつも11時過ぎだ


連日繰り返していたら

ロアンに怒られた。


「もう、ここに帰って来なくていいよ」


でも平気

来たばかりの頃は気を使っていたけど、


もう、今はそんなの気にせず

遊びに行くようになった。


スコールが来た日の夜

遊びに行った帰り道、


向こうの方で、

自転車の明かりが見えた


子供たちが数人で

何かをしていた。


カエル捕りだ


親もとっくに寝てしまった

夜の大通りでみんな夢中になって探していた。


と・・・


いっしょに遊びに行ってた

友人らもカエルを探し始めた。


みんな楽しそうだ


ぼくも探し始め、

いつのまにか大通りを駆け回っていた。


最後に捕まえたカエルを

子供達にあげた。


「強く生きろよ」


子供らは嬉しそうに受け取って、

みんなで帰路についた


途中、子供らが話していた、


「これで4時間はインターネットできるね」


「・・・」


ぼくはカエルが入っている袋を取り上げ

逃がしてあげた。


子供たちがすごく怒っていたので

教えてあげた。


「君らのせいでぼくの明日のご飯はカエルになるんだよ」


子供らは聞く耳を持たず

逃げたカエルを捕まえ始めた。




にほんブログ村 海外生活ブログ ベトナム情報へ

「メコンデルタとぼくと5つの島」


夕方くらいになると

暑さも和らぎ

秋を思わせるような

雰囲気がただよう


メコンデルタとぼくと5つの島-akinoyounatoki



090331 また会う日まで

マンが死んだ

突然だった


ぼくが来る7日前に


みんなは特に

悲しむ様子も無く

普段どおりだった


マンの家に行っても

相変わらず

近所の人らが

ひっきりなしに来て

にぎやかだった


妻のタットは少し

疲れた様子だったが

子供たちは相変わらず

明るかった


1週間も経つと

こんなもんなのか・・・


しかも子供たちや親族は

ぼくに悲しいでしょ悲しいでしょと

詰め寄ってくる。


いや、もちろん悲しいよ・・・


ぼくよりあなたたちの方が

悲しいでしょ?


といいたいのだけど、

ここは悲しいです悲しいですと

答える。


親族に至ってはぼくだけでは

飽き足らず子供たちにも

マンはどこどこに行ったんだよ

悲しいでしょ悲しいでしょと

詰め寄っている


子供たちはものすごくいやがっている。


「君らがぼくにしていることと同じだよ」


と思いつつ、

静かにその場に座っていた。


夕方、子供らとマンのお墓に

線香をあげに行く


相変わらず元気で

ライターの火を吹き消したりしてふざけていた


うん、特に心配しなくて平気だなと

ぼくは気が楽になった。


と…

突然だった


自転車での帰り道

子供らの歌声が消えた


なんだろうと後ろを振り返ると

子供らは真顔で


「マンはどこに行ったの?」


えっ今・・・

さっきのおじさんの答えじゃダメなの・・・

それをベトナム語で説明しろと・・・


「・・・」


「・・・」


「そんなのしらねーよ」


「・・・」


「・・・」


「・・・そうだよね、そんなの誰も知らないよね」


ぼくも加わり

みんなでまた歌いだした。



にほんブログ村 海外生活ブログ ベトナム情報へ

「メコンデルタとぼくと5つの島」



ベンチェーの夕暮れ

すずしくなってみんなが動き出す

ぼくはこの時間帯が一番好きだ。


メコンデルタとぼくと5つの島-yuugata