100909 お線香とつまようじ | メコンデルタとぼくと5つの島

100909 お線香とつまようじ

アル中のフォンが

死んだ。


そりゃあれだけ飲めば死ぬよ、

朝から晩まで飲んでた


この周辺では

一番酒に強かった


ぼくがベンチェーに来てから

もう2人目。


マンが40歳で

フォンが36歳


戦国時代のようだ・・・


酒ばっか飲んでて

結婚もせずに、

バイク屋も最後の方はほとんど開いていなかった


1週間くらいしてぼくは来たのだけど

母のバイーは相変わらずカフェを開いていて

いつものようにアイスコーヒーを作ってくれた


他のみんなも

普段と変わらず


「フォン死んじゃったんだよ」


って話してくる。


ぼくもこんな飲んでたらすぐ死ぬぞって思ってたから

そんなに悲しくはなかった。


ロアンから


「お線香あげてきなさい」


と言われたので、フォンの弟のサンの家にある仏壇に行く


仏壇にはフォンの写真が飾ってあり

白いシーツのようなものに無数の漢字が書かれていた。


「フォンはもういないのか」


線香をあげながら

ちょっと前の飲みの時はいたのに

ってかここらで飲む時は殆どいたのに・・・


なんて感慨深くなっていた。


ふと隣の部屋で飯食ってたサンが

こっちきて、


「線香あげた?」


と仏壇に向かっていった。


そして線香をさす容れ物から

線香が燃え終わった残りの棒の部分を取り出していた。


(ベトナムの線香は先が線香の部分で下の方がただの棒になっている。)


「あんた何してんだ?」


「ん?」


口に入れ

シーシーしながらこっち向いてきた。


「・・・」


「・・・」


ぼくはこれ以上彼にかける言葉を

見つけることはできなかった。



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ベンチェーのぼくの居るところでは

またまた家が建つらしい。

ロックの姉が住むのだ。


メコンデルタとぼくと5つの島-新しい家