JR西日本の福知山線でおきた脱線転覆事故。多くの犠牲者を生んだこの事故の責任を問うべく被害者らはJR西日本の社長を告発していたが、検査と当局は亡くなった運転手にだけ責任を押し付け、経営責任を追求しようとはしなかった。検察審査会は一度これはおかしいと再度検察に戻したが、再び歴代3人の社長らを不起訴にしたため、弁護士を検察官とする強制起訴に手続きに踏み切った。
 検察審査会で不起訴不当となっても、検察が再び不起訴にしてしまえば今までは、不起訴になったままだったが、民意を反映していないと昨年5月に法改正され、2度不起訴になった者を弁護士を検察官として起訴できる法改正が行われ、これで明石における花火大会の警備責任者追求に続いて2例目になる。
 福知山線の事故の本当の原因は、会社側の列車ダイヤ効率運用の結果であり、一運転手の責任とばかりとはいえないとする民意が果たして生かされるかどうか。JR西日本の安全管理を怠った鉄道運用方式に歯止めがかけられるだろうか。