先月行われたベルリン国際映画祭で主演女優賞を授賞された。初めて取ったのは「にっぽん昆虫記」(今村昌平監督)、「彼女と彼」(羽仁進監督)の2作の演技で1964年に受賞した左幸子さん。75年の「サンダカン八番娼館 望郷」(熊井啓監督)の田中絹代さんに続く3人目ということになる。。
第60回ベルリン国際映画祭の授賞式が2月21日に行われ、山田洋次監督(78)が特別功労賞「ベルリナーレ・カメラ」を受賞。最新作「おとうと」がクロージング上映された後、主演の吉永小百合さん(64)とともに舞台あいさつに立ち「こんな感激は今までない」と声をうわずらせた。また「キャタピラー」の寺島しのぶさん(37)が最優秀女優賞を受賞。日本人では35年ぶり3人目の快挙となった。

 名前は「銀熊賞」でも、堂々、最優秀女優賞の“金メダル”だ。

 「キャタピラー」(8月公開)は太平洋戦争で四肢を失って復員した夫(大西信満)と、その世話に追われながら戦争に矛盾を感じていく妻(寺島)を描く。日本人の同賞受賞は1964年「にっぽん昆虫記」「彼女と彼」の故左幸子さん、75年「サンダカン八番娼館 望郷」の故田中絹代さんに続き、35年ぶり3人目。母・富司純子さん(64)とも共演した大女優2人に続いたことに「今後、日本の女優さんが取る時に、きっと寺島しのぶ以来となるわけなので、いつの間にか消えてないように、毎日女優として立ってられたらいい」と気持ちを引き締めていたから、これからも期待できますね。。

 仏人アートディレクターの夫・ローラン・グナシアさん(42)からは「帰って一緒に喜びを分かち合いたい。ウチに銀熊(のトロフィー)があるなんて信じられないよね」と滞在先のフランスから喜びの声を伝えられ、「私の名前が日本だけでなく世界中に発信されたんだ」と重みを実感した。

 この夏の映画「キャタピラー」私を含め戦争を知らない世代には、ぜひ見てほしいと思う。

 ◆寺島 しのぶ(てらじま・しのぶ)本名は寺嶋・グナシア・忍。1972年12月28日、京都市生まれ。37歳。青学大卒。劇団文学座出身。映画「赤目四十八瀧心中未遂」(03年)で報知映画賞、日本アカデミー賞など主演女優賞を総なめ。現在はNHK大河ドラマ「龍馬伝」、映画「人間失格」に出演。父は歌舞伎の人間国宝・尾上菊五郎、母は女優の富司純子、弟は歌舞伎俳優の尾上菊之助、夫は仏人アートディレクターのローラン・グナシアさん。