リーマンショックから、今日でちょうど1年。政府系の金融機関が救われたことから、リーマンブラザースも救ってもらえると思っていたのだろう。その影響は少ないといわれていたのだが、証券化した中にしくまれた時限爆弾が破裂するのは時間の問題だった。瞬く間に世界の金融市場は大混乱に陥り、すわ世界金融恐慌かという寸前にまで落ち込んだ。原油価格も、一気に下落した。

 実経済は磐石だといわれていた日本経済も、米国への輸出依存でもっていたから、ひとたまりもなく、自動車産業を筆頭に雇用不安をも生み出してしまった。

 それでも、日本の自動車産業界は昨年挙げた空前の利益を帳簿上は吐き出した形で、赤字決算にしたが、内部留保を吐き出さず、非正規雇用、正規雇用問わずリストラでその場を切り抜けようとした。

 非正規社員の切り替えなど今までもやってきたことなのに、なぜ今批判されなければならないんだ、法律に則ってやっていることだと資本側は言うだろう。しかし、雇用環境の悪化が、一産業に留まらず一気に噴出したことで、社会不安をも醸し出すに至って、一気に政治問題化した。

 小泉改革の労働の流動化、セーフティネットの切り崩し、郵政民営化による地方コミュニティの崩壊などなど。これら全てが、改革を断行しないから不況から脱出できないんだという竹中平蔵の理論の破綻だ。新自由主義経済から、とっくに先進国は離脱しているというのに。


 多くのヘッジファンドが閉じた中、新たなうねりが起きている。ブティック型ファンドだ。まとまった資金の特定先企業への投資を謳ったファンドにお金が集まっているという。ファンドも透明性を求められるのは、時代の要請だという。


 そんななか、今年4月以降じりじりと又原油が上がりだしている。韓国系の銀行は国内支店を開業した。外国銀行としては、シティバンクに次ぐ2番目だ。そしてコンビニ方銀行も、新しく開業した。ドリンクサービスもあるという。リーマンショックから日本経済が、まだ回復していないというのに、新しい金融のうねりができている。


 果たして、世界は、日本は景気回復の兆しを見せているのだろうか。雇用環境の悪化は、消費者の消費傾向を冷え込ませ、一段と企業業績の悪化へと繋がっている。