昨年１２月１８日にアウシュビッツ強制収容所の正面に掲げられていた『働けば自由になる』というスローガンが盗まれた。ポーランド当局が非常事態宣言を出し捜索した結果、５人のポーランド人が逮捕された。実行依頼者は、スウェーデンのネオナチ創設者であることがわかっている。
忌まわしい悲劇の舞台は人類の記憶遺産として、世界遺産に登録されている。しかし、２１世紀の今、その象徴である強制収容所に掲げられていた標語版が盗まれたことに衝撃を覚える。アウシュビッツ解放から１月２７日で６５周年が過ぎた。昨年、ドイツは老朽化したアウシュビッツ保存のために７８億円相当を拠出すると決めたばかりだった。
記憶の風化ばかりではない、新たな排外主義者＝ネオナチを名乗るおばかな連中が、世界中で増えてきたことに対して、各国政府は注意すべきだ。