広島市の平和記念資料館にある原爆ドームの模型の壁面(高さ2.6メートル)が3日、核実験があるたびに張られてきた抗議文でいっぱいになった。最後の空きスペースに掲示されたのは、5月に核実験を実施した北朝鮮に対する秋葉忠利市長の抗議文で、594通目。41年で594通に達した。
1968年8月のフランスの水爆実験以来、核実験や未臨界核実験を実施したり予告したりした国に対して歴代広島市長が抗議文を送り、そのたびにシール加工された同じ文書(縦20.5センチ、横13センチ)をこの壁面に張り続けてきた。資料館の前田耕一郎館長は「非常に残念。核実験が繰り返されないことを切に願う」との談話を出した。
実際に人類の上に落とされたのは原爆2発、しかし核実験で被曝し苦しんでいる人たちは、今も生まれている。
核廃絶の思いが世界に届くのはいつのことなのか。