はい。

↑前回、一通りプレイしたらレビューを書く予定だと言ったばかりですが、早速レビューを書きます。

ユークス開発・アークシステムワークス販売のベルトスクロールアクションゲーム作品「DOUBLE DRAGON REVIVE」のレビューです。

本レビューは、ストーリークリア済、全難易度・全プレイアブルキャラクタープレイ済、エクストラモードを軽くプレイした時点でのレビューとなります。

それでは本題入ります。

 

製品紹介トレーラー

 

 

 

 

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「DOUBLE DRAGON REVIVE」レビュー (Nintendo Switch版)

 

 

☆良い点☆

 

①:ギミックや壁を利用する爽快なバトルアクション

  本作は、落ちている武器や敵が落とした武器を使えると言うベルトスクロールらしい要素が有るが、その他に、様々な一撃KOギミックや、

強力な壁打ち付け攻撃が有り、

これにより独特の爽快なプレイフィールが得られる様になっている。

 

②:4人のプレイアブルキャラクター

  本作のプレイアブルキャラクターは、ダブルドラゴンシリーズお馴染みのリー兄弟と、ヒロインのマリアン、そして忍者の乱蔵がおり、それぞれのアクションがしっかり作り込まれていて、それぞれ違う強みを持っている。

この作り込みの充実度は、各キャラクターを使う意義をきちんと生み出している。

 

③:エクストラモード

  本作には、メインのストーリーモードの他に、エクストラモードが有る。

難しめで挑戦意欲を刺激する多数のミッションをこなして行くモードだが、クリアして行く事によってストーリー中のサブキャラクターや敵キャラクターのバックストーリーが解放されて行く。

バックストーリーはテキストと簡素なイラストのみで語られる為、若干物足りなさは有るものの、ストーリー内容自体はキャラクターを充分に掘り下げているので、収集する価値と魅力はしっかり備わっている。

 

④:オフライン及びオンラインでの協力プレイに対応

  ベルトスクロールアクションゲームと言えば、協力プレイも醍醐味のひとつだが、本作はストーリーモードもエクストラモードも協力プレイに対応している。

協力プレイは、オフラインのみならずオンラインでも出来るので、難しいミッションも気軽に誰とでも助け合える。

 

⑤:手堅いオプション項目

  キーコンフィグ、各サウンドの音量調整、画面の明度調整、ボイス言語、字幕言語、画面の振動のON/OFF等、欲しい調整機能は一通り揃っている。

 

⑥:ボイスアクト

  本作のボイスアクトは日本語と英語が用意されているが、いずれの声優の演技も完璧だ。

 

 

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✯惜しい点✯

 

①:フレームレート

  Nintendo Switch版は30fpsの動作で、目立った処理落ちは無く動作はかなり安定しているが、欲を言えばもう少し頑張って欲しかった。

例えば、Steam Deckでの【最高】設定での本作の動作は40fps前後、【高】設定では45fps前後だが、それ位のフレームレートは出して欲しかったところだ。

同じアークシステムワークスの「GUILTY GEAR -STRIVE- Nintendo Switch Edition」が、キャラクターグラフィックがPC版の【高】と同等で約60fpsの動作を実現していたので、アークシステムワークスの技術力ならと求めてしまうポイントである。

 

②:定価

  本作の定価は、通常版で約5,000円だが、フルボイスとは言え全8面で終わる短いストーリーモードと、テキストとイラストだけで語られるバックストーリーを備えたエクストラモードしか主立った要素が無いゲームに対し、約5,000円を払う価値が有るかどうかと言うのは、人によって意見が分かれ易い所だろう。

例えば、CAPCOMの「CAPCOM FIGHTING COLLECTION 2」がほぼ全く同じ定価だが、レガシータイトルのコレクションパッケージと言えど複数タイトルが収録されており、各タイトル異なるプレイ体験が味わえ、現代のゲーマー向けに適正化された要素を備え、BGMの現代アレンジや各タイトルの設定資料まで実装されているので、ゲーム体験の密度にかなりの違いが有り、これが同じ価格帯として並んだ時、本作はやや見劣りしてしまう所が有るのは否めない。

かと言って、別に理不尽なまでの価格設定だとも思えないので、4,000円位が妥当な価格だと筆者は考えている。

 

 

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★悪い点★

 

①:ストーリーモードの難易度の変化の乏しさ

  本作のストーリーモードは難易度選択が出来、イージー・ノーマル・ハードの3段階が用意されているが、何が変わるかと言うと、【敵の耐久値・敵の怯み易さ・敵の攻撃力・チェックポイント到達時のプレイヤーの体力回復量】だけである。

つまるところ、本作の難易度調整はコーエーテクモゲームスの無双シリーズ同様、ただ吊り上げられて行くだけの吊り上げ難易度調整であり、敵の配置や種類・攻撃手段等に全く変化が無い為、面白みが無い。

 

②:アスレチック要素

  本作には、如何にも昔のアーケードゲームを意識した様なアスレチック要素が存在しているが、悪い意味で昔っぽ過ぎて極めて人を選ぶ内容になっている。

流石に、Ubisoftの「Assassin's Creed Chronicles」程の極端なものでは無いが、最初のアスレチック要素の時点から妙に難しめで、その難しさがゲームプレイにおいてもストーリーにおいても必然性が無く、ただ初心者を篩いに掛ける要素にしかなっていない。

先述の通り、アスレチック要素の内容は難易度によって変化しないので、イージーでも全くイージーでは無い。

トラップの動きを緩やかにする、足場を広げるか或いは増やす、落ちて来る爆弾の数を減らす等、難易度イージーに合わせた調整は色々と出来る筈で、それが実現されていないのはただの手抜きでしか無い。

 

③:ストーリーモードで4人のプレイアブルキャラクターを使える意味があまり無い

  良い点で挙げた様に、本作の4人のプレイアブルキャラクターはそれぞれしっかり使い勝手が異なっている為、ストーリーモードをマリアンや乱蔵でプレイする事も楽しさのひとつではあるのだが、ただ使えると言うだけであり、アクションゲームとしての変化以上の意味が無い。

どう言う事かと言うと、ストーリーデモに全く変化が無いのだ。

つまり、マリアンを使って最初からプレイしても、敵に攫われたと思われるマリアンをリー兄弟が探しに行く所からストーリーが始まるし、乱蔵を使ってプレイしても途中で乱蔵と戦う事になる。

戦闘中のリー兄弟の台詞や敵の台詞も一切変化しない。

例えば、同じベルトスクロールアクションゲームでも、CAPCOMの「The Punisher」は、パニッシャーとニック・フューリーがプレイアブルキャラクターとして使用出来、パニッシャーでのプレイ時のストーリー内容、ニック・フューリーでのプレイ時のストーリー内容がそれぞれ異なっており、パニッシャーとニック・フューリーで協力プレイした際の専用のやり取りまで用意されていた訳だが、1993年のゲームにそれが出来て、何故令和のゲームにそれが出来ないのか?

ここはしっかり作り込んで欲しかった。

 

④:ボス敵のフィールド全体攻撃

  後半のボス敵はフィールド全体攻撃を持っている事が多いが、あまりにも単調で雑な攻撃手段だと言わざるを得ず、何が面白いのか理解出来ない。

避けるのが難しい攻撃でも目に見えて避けれるポイントが有り、如何にしてそこに上手く避けれるかを考えさせる攻撃こそ、アクションゲームの楽しさを味わえる攻撃だが、フィールド全体攻撃はそう言った楽しさを提供するものでは無い。

また、姉妹で2人同時に出て来るボス敵が居て、彼女達もほぼフィールド全体攻撃を使って来るが(この場合、一応身を隠せる場所が有るが、範囲が狭過ぎてそこに立ったつもりでも攻撃を喰らう事が有る)、2人だからフィールド全体攻撃が出来る、と言う訳では無く、1人を倒して残り1人の状態でもフィールド全体攻撃を使用して来るのは流石に首を傾げてしまった。

全体攻撃の範囲が半減した方が納得性が有るし、不慣れなプレイヤーでも頑張って1人倒した時に報われた気持ちになれ、モチベーションに繋がるので、そう言った御褒美が無いのはアクションゲームとして少々雑な作りだと考えられる。

 

 

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☆総評★

本作は、長らく新作が出ていなかったダブルドラゴンシリーズの最新作でありながら、初代ダブルドラゴンを現代的に解釈してアレンジを加えたタイトルであり、ダブルドラゴンシリーズ初心者にも目を向けて作られた作品だが、色々と勿体無いゲームとなってしまっている。

派手な超必殺技に、様々な一撃KOギミック、無敵状態になれる壁打ち付け攻撃等、強力なアクションで気軽に爽快感を味わえる点は魅力的だが、それだけ色々出来る分、イージーでも敵の体力が多めであったり、妙に難しいアスレチック要素が有ったり、ボス敵のフィールド全体攻撃が有ったりと、ゲームのテンポを損なう要素が魅力部分の足を引っ張っている。

また、各プレイアブルキャラクターの作り込みや、作中のキャラクターの人間性を掘り下げる要素を備えたエクストラモードはやり込み要素としては魅力的に見えるが、プレイアブルキャラクターによって内容が変化する訳でも無くそれ以外の変化にも乏しいストーリーモードと、テキストとイラストだけでさらっと語られるバックストーリーに対し、プレイヤーが見出だせるやり込み甲斐は限りが有る。

更に、初代ダブルドラゴンを余りにも大胆にアレンジしている為、初代ダブルドラゴンのファンにとっても理想的な初代ダブルドラゴンのアレンジ作品とは言い難い面も有るだろう。

つまり本作は、初心者にとっても、コアなゲーマーにとっても、初代ダブルドラゴンのファンにとっても、悉く中途半端な作品に仕上がっていると言っても過言では無いタイトルであり、定価分の価値が有るか否かも中途半端だと言わざるを得ない。

筆者は本作を楽しめているし、今後もプレイして行くつもりだが、多くの人にお勧め出来るタイトルだとは言い切れない。

確実に人を選ぶゲームであり、アップデートで改善出来る部分はして貰いたいところだ。

最低でも、難易度の調整は改善すべきであり、例えばコーエーテクモゲームスのオメガフォースのゲームタイトルの様に、イージー以上の初心者向けの難易度をアップデートで追加すると言う手段を取るのもアリだと思う。

とは言え、各キャラクターは魅力的で、アクションも楽しく、強力な攻撃や華麗なコンボを決めた時は爽快なので、そう言った部分に興味の有る人は、主にアスレチック要素に注意しながら購入してみるのも良いだろう。

光る部分は本当に楽しいゲームなので、大きく損をする事は無い筈だ。

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☆「DOUBLE DRAGON REVIVE」レビュースコア (各項目10点満点)★

グラフィックス:7/10

サウンド:7.5/10

ストーリー:7/10

バリュー:6.5/10

リプレイ性:7.2/10

トータル:7/10