昨日、テレビで「Fantastic Beasts: The Secrets of Dumbledore」が放送されていた様ですね。

公式トレーラー 


この映画「Fantastic Beasts」シリーズは、「Harry Potter」シリーズに登場する、魔法動物飼育学の教科書である「Fantastic Beasts and Where to Find Them」(日本語訳:幻の動物とその生息地)を題材としており、教科書の著者であるNewton Artemis Fid Scamander(ニュートン・アルテミス・フィド・スキャマンダー)を主人公に据えた物語を描く、全5部作予定のシリーズです。


然し、この映画シリーズは、話が進む度に評価を落としています。


1作目の「Fantastic Beasts and Where to Find Them」(邦題:ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅)は、Googleユーザーの高評価率が81%、世界最大級の映画データベースであるIMDbのレビュースコアが7.2と、「Harry Potter」シリーズに一歩及ばないながらも手堅い滑り出しに成功しました。

ファイナルトレーラー 


2作目の「Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald」(邦題:ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生)は、Googleユーザーの高評価率が77%、IMDbのレビュースコアが6.5と、看過出来ない下がり具合となっています。


そして3作目の評価はと言うと、Googleユーザーの高評価率が73%、IMDbのレビュースコアが6.2と、現時点でシリーズ最低評価となっています。


そもそも、「Fantastic Beasts and Where to Find Them」とは、魔法生物に関する基礎知識と、91種(新装版。元々は85種。)の魔法生物の生態と危険度を示した教科書であり、言うまでも無くその内容は魔法生物が主体な訳ですが、映画のシリーズはJ.K.ローリング氏が脚本に携わっているにも係わらず、1作目しかまともに魔法生物の事が掘り下げられておらず、しかも1作目から既に【魔法生物が物語の主体】ではありません。
話が進むにつれて、物語が本格的にシリアス路線になり、尚且つ【闇の魔法使いとダンブルドアの闘い】が話の中心となる為、「Harry Potter」シリーズと全く差別化されておらず、その上主人公のニュートは魔法生物学者であって、ハリーとは違い【闇の魔法使いと闘わなければいけない宿命】を背負っている訳でも無いので、「Harry Potter」シリーズと比べて必然的に主人公が空気と化し易く、実際空気なので(魔法生物はそれ以上に空気)、それ故の評価の低さとなっているのでしょう。
また、この映画シリーズは1作目の時点から、魔法の説明が非常に最小限の説明しか無いので、ウィザーディングワールドの知識が無い人々に対して不親切と言う問題点も抱えています。
この映画シリーズを、俺が一言で表すなら、「Fantastic VFX」です。


一方、Portkey GamesとAvalanche Softwareが製作した、ウィザーディングワールドを題材としたビデオゲーム作品である「Hogwarts Legacy」は好評で、Googleユーザーの高評価率が94%、Steamの好評率が91%、IMDbのレビュースコアが8.7となっています。

…俺のレビュースコアがIMDbと全く同じなのはたまたまですよ。いや、マジで。


このゲームの脚本にJ.K.ローリング氏は一切関わっていない為、小説「Harry Potter」シリーズと比べて深みに欠ける部分はあるんですが、古代魔術を巡る物語が描かれており、きちんと【古代魔術が主体の物語】となっていて、主人公も【古代魔術に関わる問題・困難に立ち向かわなければならない宿命】を背負っています。
主人公はホグワーツの生徒として生活する事になる為、様々な呪文をホグワーツの教授陣から教わる事となり、どの呪文がどう言う効果を齎すのかきちんと説明もなされるので、ウィザーディングワールドの知識が無い人でもある程度入り易いです。
また、このゲームには、映画「Fantastic Beasts」シリーズよりも圧倒的にFantastic Beasts体験が味わえる瞬間が存在しています。


で、今回のブログタイトルの話になる訳ですが…
【Hogwarts Legacyに在って映画Fantastic Beastsには無いもの】。

個人的には、【愛】だと思っています。
ウィザーディングワールドにおいて、古くから存在する重要な【魔法】。

「Hogwarts Legacy」には、ウィザーディングワールドに対する愛、数々の魔法に対する愛、そして、ウィザーディングワールドのファンに対する愛が存在しています。
ホグワーツの4つの寮を象徴するキャラクター達との関わりは、ホグワーツの寮の特徴への深い理解を促してくれますし、数々の呪文や魔法植物、魔法薬、そして魔法生物との関わりは、ウィザーディングワールドの魅力を再発見させてくれます。
正にウィザーディングワールドファンへの甘いラブレターであり、ウィザーディングワールド入門者の入口の一つともなっています。

一方、映画「Fantastic Beasts」シリーズには、その様なものは見受けられません。
魔法は簡素に描かれており、ウィザーディングワールドの魅力を掘り下げる要素も見当たらない。
肝心の魔法生物さえ雑に扱っており、殆ど愛を感じられません。
大抵のウィザーディングワールドファンは落胆しており、ウィザーディングワールド入門者にも優しくありません。


映画「Fantastic Beasts」シリーズの製作は最低でもあと2作残されている訳ですが、今後思い切った方向転換をするのか、それともこれまでの流れをそのまま引き継ぐのか、いちウィザーディングワールドファンとして、一応注目しておきます。
…「Hogwarts Legacy」を性懲りも無くプレイしまくりながらねw

と言う訳で、今回の記事は以上!