小林秀雄が書いた本居宣長を読んでみようかな、という気になりました。早速、図書館で探しましたところ、誰も読まないみたいで書庫の中に入っていました。図書の係りに頼んで出してもらいましたが、親切にも別冊としての補記の分まで出庫してくれました。


手にすると、文庫本ではなく装丁本でした。なかなか立派な装丁です。表紙の内側は、なんと日本画の大家である私の好きな奥村土牛が描く山桜の素朴な描写です。山桜は本居宣長が今宵なく愛した桜の木です。小林秀雄の宣長さんに対する思いやりが如何にあったかが伺えます。


さて、小林秀雄は、ベルクソンも読めといっているので、今年のお盆はどうやら読書三昧になりそうです。ベルクソンについては、後日記しますが小林秀雄が薦める本は皆難解です。しかし、彼に言わせると書く方は出来るだけわかりやすく書こうとしているのだけれども、何せ書く内容が非常に難しい内容なのでどうしてもそうなってしまうと言っていました。


宣長さんについては、早速前半を眺めてみましたが、意外と読みやすいと思いました。ただ、古文とか漢文は理系の私にとっては高校の学習以来の離れた言語ですので、その辺を細かく翻訳して読みますとお盆には終わりませんので、音読みのみで通したいと思います。それでも直覚を働かせてその辺は宣長の臭いでも嗅げたらと思っています。


by 大藪光政