スイングアームと同様に、ブレーキトルクロッドの強度計算を少々。
スイングアームを延長した分、ブレーキトルクロッドも延長しなければなりません。
普通であればスイングアームと同様に溶接で延長させると思いますが、溶接に懲りてしまったので別の方法を考えます。
ブレーキトルクロッドはパイプで作ってあります。
※この画像はオークションサイトから拝借しています
ただ、これはタイヤをよけるために曲げが必要だからかと思います。
基本的には引張り応力しか作用しないと思うので、パイプである必要はないはずです。
そこで、SS400の板材をカットして作ってみたいと思います。
では強度計算から。
おそらく、ノーマルのブレーキトルクロッドはSGP鋼管17.3φt2.3程度かと思います。
(あくまで推測)
そうなると、引張り強さは290N/㎜2なので、この数字を基準とします。
SGP鋼管17.3φt2.3の断面積は
(17.3/2)×(17.3/2)×3.14=232.23→①
((17.3-2.3)/2)×((17.3-2.3)/2)×3.14=176.63→②
①-②=232.23-176.63=55.6㎜2
となります。
この断面積に引張り強さを掛けて
55.6×290=16,124N
となります。
ひとまずノーマルのブレーキトルクロッドは、引張り強さが16,124Nあると仮定します。
では、制作するブレーキトルクロッドの検討を。
取付けの幅的に、板圧5㎜までしか使えません。
SS400に5㎜はないので、一番近い4.5㎜として考えます。
SS400の引張り強さは下限値で400N/㎜2。
これを先ほどのノーマルの値を用いて割り戻すと。
16,124÷400=40.31㎜2
が必要断面積となります。
これを板厚で割ると
40.31÷4.5=8.96
となります。
すなわち9㎜の板幅があれば、ノーマルの引張り強度と同等となります。
こうなると「まぁ10㎜あればいいかな?」となりますが、それはさすがに短絡的。
物事には安全率というのものがあります。
繰り返し荷重がかかる部分なので本来ならば5倍の強度が望ましい部分です。
ただ、そこまでのものになると大きすぎますし、ノーマルの時点で安全率は見ているはずです。
そこで今回は安全率を2倍、延長したことでの応力増加を1.2倍として考えます。
安全率2.2倍として制作したのがこちら。
SS400で板厚4.5㎜、板幅は20㎜としています。
これだけあれば、横方向の力を受けない限り壊れることはないでしょう。
仮に破断する場合は取り付け部分の穴の周囲からになると思うので、本来の強度としては計算よりも低いと思います。
それこそ、安全率の2.2倍がほぼ1倍程度になっているかもしれません。
自己流なので、例のごとく真似だけはしないでください。
命に直結するので、同様のことをやる場合は専門家に依頼をしてください。
では。