溶接屋さんに行ってきました。
その前に、溶接屋さんに行きついた経緯を簡単に。
実は、最初は都内の某ショップにスイングアーム加工から全体調整までをお願いしていました。
ショップに訪問して検討の依頼をしてから3ヶ月は経ったかと思います。
ですが、この3ヶ月間音信不通なので諦めました。
次に、スイングアームを送ると作成して返送してもらえるショップに相談しました。
製作費3万円。
高すぎて不可。
と、色々と悩んで「自分で出来ないのは溶接だけなんだから、それだけお願いすればよいのでは?」と思い、個人の溶接でも受けてもらえる会社を探しました。
それでも3社ぐらい連絡しては断られの繰り返しで、ようやく話を聞いてくれる会社が見つかりました。
(個人様大歓迎とあっても実際は企業案件優先なので「今は無理」ばかりでした。)
プライベーターが自分で溶接する気持ちが分かりましたよ。
安全性が自己責任なら、自分でやったほうが早い。
ですが、運よく溶接を受けてくれるプロが見つかったので、ここはプロにお願いするのが一番。
訪問して話を聞いてきました。
一番気になっていたのは、前回も書いていたインローについて。
実は、インローの代わりにできるよう、延長用の鋼管とその中に入れられる一回り細い鋼管も用意していました。
必要ならそれを入れてと思っていましたが、
「必要ない。」
とのこと。
理由としては、
「ガイドの役割はするかもしれないけれど、強度としては無意味。無駄に重くなるだけ。」
だそうです。
ただ、ここで気を付けたいのは、強度としては無意味だけれども溶接としては有効ということです。
まずは、前述の通りガイドになること、さらに裏当金の代わりにできることが溶接に大きくかかわってきます。
ガイドとして挿しこむことで全体の芯が出しやすくなり精度が高まり、インロー部が裏当金の代わりになるので片側からの完全溶込溶接ができる。
素人溶接なら、インローがあった方が良いようです。
※ただし、インロー部に十分な厚みがある場合に限る。
なぜ強度としては無意味なのかを整理しましょう。
話としては簡単で、インロー部が「どこにも接していないため、力を伝達しないから」です。
下図のように、ミクロの単位で見るとフレームとインロー部は隙間があります。
溶接部が強固であればあるほど、インロー部は力を伝えません。
したがって、強度計算には使えないということになります。
建築でもそうなのですが、溶接後にボルト接合してもボルトの締め付けは加味できません。
ようするに、溶接で固まっているものをさらに固定することはできないという考えです。
(ボルトが先の場合は溶接強度を加味できます。)
ここからも分かる通り、溶接部が非常に重要となります。
「見た目が悪いから」という理由で削るなど言語道断。
インローがあるからこそ表面のビードの盛り上がりが大切で、その盛り上がり部分が力を伝達している部分です。
削れば削るほど弱くなってしまいます。
分かっていて削るのはかまいませんが、分からずに削るのは避けたほうがよいでしょう。
と、溶接の話ができて楽しい時間を過ごしてきましたが、溶接自体については順番待ちです。
2週間はみてほしいとのことだったので、ゆっくり完成を待ちたいと思います。
まだまだ先は長い。