ランチしたあと、大賑わいの通りを歩く。
朝はこーんなに広々としたマッジョーレ広場だった。
サン・ペトローニオ聖堂
このツートンカラーの聖堂、ファザードはどう見たって未完成。
アントーニオ・ヴィンチェンツォの設計に基づき1390年着工
1569年に一応の完成したものの・・・・いやいや完成していないし・・・。
当初の計画ではフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂を
超えるべく計画されたらしい。
最初の計画は、翼廊が左右に伸びたラテン十字型プラン、
しかも内陣には高さ150mの大クーポラが建設されるはずだった。
あまりの壮大さに法王庁から物言いがあったとか?
入口では朝、待機していたポリスマンたちが厳重なチェックを行っている。
それは聖堂の中にある一枚のフレスコ画によるものだ。
平和を祈るこうした教会は時にテロの標的とされ、
何の罪もない人々が謂れのない理由で命を奪われてしまう。
ポリスマンはその暴挙を抑制する意味で、
例え入口が行列になったとしても、必要なことではないかと思うのだ。
ここボローニャでも、1980年8月2日午前10時25分
2等車乗客用の待合室で旅行鞄が爆発し、
待合室は屋根が吹き飛び電車やタクシーの
駐車場を直撃したそうだ。
200人以上が負傷、85人が亡くなった。
日本人の男子学生もその中の一人だ。
古い街並みが残るヨーロッパの都市を訪ねるとき
その街の歴史を知ることで、戦争や理性を失った行為による
不条理さがその風景にも潜んでいることを心から悲しく思う。
聖堂では、日曜日なのでミサをしていた。
聖堂内は写真を撮ってはいけない、但し2€を支払うとオレンジ色の
紙のブレスレットをくれるので、それを腕に巻いておくとOK。
そのことを知らず、たくさんの人が写真を撮っていたが
教会側で咎める人はいなかった。
ここで見るべきものは入口を背にして左4番目にある「ボログニーニ家の礼拝堂」
ボログニーニ家の礼拝堂の入場は有料で礼拝堂のすぐ近くに
入場料を支払う受付がある。また写真不可だが、外側からはOK。
ジョヴァンニ・ダ・モデナのフレスコ画
「東方三博士の礼拝」「サン・ペトロニオの生涯」
そして、「天国と地獄」(左上の写真)
この天国と地獄のフレスコ画とよく構図が似た絵が
国立絵画館にあった。
実はこの「天国と地獄」の人を貪り食う悪魔の右上あたりに
ターバンを巻いた男が描かれている。
この男はイスラム教創始者のマホメット。
2006年、イスラム教がこの絵をめぐって、聖堂を爆破するという予告があったのだ。
それ以降、入口では厳重なチェックが行われることになったそうな。
ミサ中なので、見たかった他の礼拝堂はまたの機会にすることにして
一旦外にに出て、中央入口周りの彫刻を見ることにした。
ヤコボ・デッラ・クエルチャの独特の力強い彫刻
聖堂のファザード、上部分のアップ
上を見上げすぎて、首が痛くなったところで移動することにした。
つづく