たった数百メートルの処女航海 | 謎のこうのとり 


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11月21日 日曜日の朝、ホテルの窓から外を見ると、やっぱり小雨が降って真っ暗。

ヨーロッパの冬は寒さが厳しいけれど、一歩室内に入ると、どこも暑いくらいぽかぽか。

厚着をしていると、あっという間に汗が出てくる。

ダウンのコートの下はそこそこ調節できる服じゃないと、風邪をひいてしまうのだ。

ということで、今日はこの格好にダウンのコートでお出かけずら。

そして、朝食もたくさん食べるのだ。

 

ホテル近くのバス停からバスに乗って、一番近いトラム乗り場まで行く。

日曜日なので、ほとんど人が歩いていない町。

トラムは結構子供連れが多くて、私が降りた駅でほとんどの人が下車した。

 

 

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昨日行った「北方民族博物館」のちょうど裏に「ヴァーサ号博物館」がある。

ここはあんまり目立った所ではないけれど、何人もの方のブログで絶賛していたので

訪ねることにした。

 

ここもストックホルムカードを提示して入場。

入って右手にロッカーが並んでいる。ここでも10SEKを入れてコートを預ける。

トイレも広くて、きれいだった。

ストックホルムはトイレの個室の中に、それぞれ手を洗う洗面がついているので

個室自体も広くて、使いやすい。

 

展示室に入ってびっくら叫び 内部の中央に巨大な船がデーンと鎮座している。

その大きさは、どんな遠くから撮ったってデジカメでは全体が撮れないのだ。

ちょっと興奮して、写真を撮るが、室内が暗すぎて、あとで見たら「なんじゃこれは?」って感じずら。

 


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わかりにくいけれど船体側面の一部       これは模型

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模型、こんなにも装飾された美しい船だったのだ。   蝋人形の船員

しかーし、このヴァーサ号。

なぜこんなにも博物館ができるほど有名な船なのか?

1628年8月10日、処女航海に出発し、数百メートル進んだところでストックホルム港に

沈んだのだ。

見送りの大勢の人たちはちょっと進んだだけで沈んでいく船を見て、どんな風に思ったか?

さぞかし驚いたことだろう。

 

その沈んだヴァーサ号を1961年に引き上げ、95%原型を留めたままに復元されたのが

この展示されている巨大な船なのだ。

 

333年間海中に沈んでいたのに、こんなにも完璧に復元するなんて、すごい技術ずら。

その引き上げるところから部品一つ一つを水で洗って、整備する模様を館内の映画で見た。

ホントに根気のいる仕事。

 

 

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これは本物の骨。船の中で見つかった人たちの骨をこうして展示していた。

骨を基に生前の顔、身体を復元していく過程を細かく展示しているのも、なかなか見ごたえがあった。

「骨は語る」のだ。

 

 

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展示室にレンブラントの絵の複製が飾っていた。

 

ヴァーサ号実物大の模型の上部砲列甲板にも乗りこむことができ、そこには船上で実際

発見されたものも見ることができる。

 

ヴァーサ号は処女航海にして、しかも数百メートルのところで沈没してしまったけれど

今こうして、たくさんの人が訪れる博物館の中で最も長い航海をしているんじゃないかと

思ったずら。

 

                                        つづく